スカウトからの母集団形成|「選んで送り、返信した人」で数える
スカウトを送って、母集団を作りたい。ところが、送信数を「母集団」と数え、承認率だけを追い、広く送って読まずに書き、返信が来ても対応が遅く、面談に進まない。結論から言うと、スカウトの母集団は、「企業が選んで送り、返信した人」です。送信数でも承認率でもありません。「こんな人」を先に決め、絞って読んで書き、返信を当日か翌日に返し、返信後の場を用意します。送る量は、担当の時間と面談の枠で決めます。 この記事では、スカウトで起きる失敗、母集団のでき方、絞り方、読んで書くこと、返信への対応、返信後の場、送る量、媒体ごとの違い、他の入口との分担、台帳、分担を整理します。母集団の考え方は母集団形成の基本|量と質の順番、文面はスカウト文面の基本、スカウト型とナビ型の違いはスカウト型とナビ型の違いで書きました。媒体ごとの基本はOfferBoxのターゲット設計、Wantedlyのダイレクトスカウトの基本、ワンキャリアのスカウトの基本で書きました。
この作業の目的|「こんな人」に、企業から届いて、面談まで来る入口にする
スカウトは、企業が「こんな人」を探して送る入口です。掲載やイベントと違い、母集団の質を企業が先に決められます。その代わり、読んで書く時間と、返信への対応の速さが、母集団のでき方を決めます。
目的は、スカウトを「送った数」の入口ではなく、「こんな人に近い人が返信して、面談まで来る」入口として回すことです。
スカウトで、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 送信数を、母集団と数える | 送っただけで、返信も面談もない数を「母集団」と呼ぶ |
| 承認率だけを、追う | 承認率が高くても、面談に進まなければ母集団ではない。承認率のために送る相手を広げる |
| 広く送って、読まずに書く | 同じ文面が「こんな人」から遠い人に届き、返信が薄い |
| 返信への対応が、遅い | 返信した人は複数社を進めており、遅い会社から外れる |
| 返信後の場が、ない | 「返信ありがとうございます」の後に、何に誘うかがない |
| 担当の時間を超えて、送る | 読めず、書けず、返信を返せず、全部が薄くなる |
共通するのは、スカウトを「送る作業」として見ていることです。スカウトは「選んで、読んで、書いて、返して、会う」までの入口です。
スカウトの母集団の、でき方
- 「こんな人」を決める:入社後に合う人の条件。母集団形成の基本|量と質の順番の「『質』を、先に決める」
- 絞って、探す:検索条件を「こんな人」から作る。広げない
- 一人ずつ、読んで書く:読んだ一文と、重なり。スカウト文面の基本
- 返信が来たら、当日か翌日に返す
- 返信後の場に、誘う:面談、少人数の回、インターン
- 面談で、「こんな人」への近さを見る
- 台帳に、入口「スカウト」で持つ
母集団になるのは「4」以降の人です。「1」から「3」が、母集団の質を決めます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「スカウトの母集団を広げるには、送る数を増やせばよい」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、スカウト型の運用を見ていますが、送る数を増やした会社は、一通あたりの読む時間が減り、文面が同じになり、返信が薄くなり、返信への対応も遅れて、面談数は増えていません。逆に、送る数を担当の時間で決め、一通ずつ読んで書き、返信を当日に返した会社は、送る数が少なくても面談数が保たれ、面談した人の多くが「こんな人」に近い人です。スカウトの母集団は、送る数ではなく、「読んで書いた数」と「返した速さ」で決まります。当社がスカウトの相談を受けるとき、最初にやるのは、送る数の目標を外して、担当が読んで書ける数から送る数を決め直すことです。
「こんな人」を先に決めて、絞る
- 「こんな人」の一枚を、送る人と面接官で合意する:行動の事実で書く
- 検索条件は、「こんな人」から作る:条件を先に触らない。OfferBoxのターゲット設計
- 広がったら、狭める:OfferBoxの検索条件が広すぎるとき
- 見つからないなら、「こんな人」の書き方を疑う:OfferBoxでターゲットが見つからないとき
- 媒体ごとに、探す場所が違う:OfferBoxはプロフィール、Wantedlyは経歴と「なぜ」、ワンキャリアは体験談の読み方。現在の仕様は管理画面とヘルプで確認
一人ずつ、読んで書く
- 読んだ一文を、冒頭に:その人にしか書けない一文
- 重なりを、一つ:読んだことと、自社の仕事が重なる点
- 何を見るかを、一つ:「あなたのどこを見て送ったか」
- 話す場を、締めに:面談、回、インターン
- 型は同じで、二か所を変える:スカウト文面の基本の四段の型と、スカウトの個人化
- 読んで書く時間を、一通ごとに確保する:時間が取れない数は、送らない
返信への、対応
- 当日か翌日に、返す:返信の担当を決め、毎日固定の時間で
- 返信の中身に、答える:「ありがとうございます」だけで終えない。スカウトに返信が来たあとの文面
- 次の場の日程を、最初の返事で出す:候補日を添える
- 返信がない人への再送は、一度、違う角度で:スカウトの再送
- 返信の速さは、面談進行率に最も効く:採用ファネルの作り方の「日数で、『待たせている段』を見つける」
返信後の、場
- 返信した人を、何に誘うかを先に決める:面談、少人数の回、インターン
- 面談は、選考ではない場として:話を聞く場。選考の話は面談の中で選択肢として
- 面談の枠を、送る前に押さえる:返信が来てから枠を探すと遅れる
- 場の後の連絡を切らさない:OfferBoxの面談後のフォロー連絡
- 場に進んだ数が、スカウトの母集団の数
送る量は、担当の時間と面談の枠で決める
- 一通に要る時間(読む・書く・返す)を出す
- 週に使える担当の時間を出す:他の入口と内定者フォローの時間を先に引く
- 週に送れる数=使える時間÷一通の時間
- 面談の枠で、上限を置く:返信が枠を超えるなら、送る数を減らす
- 採る人数からの逆算と、送れる数を突き合わせる:母集団の目標数の決め方。逆算が送れる数を超えるなら、時間を足すか、質を上げて割合を上げる
- 送るペースはOfferBoxの送信ペース
媒体ごとに、変わる部分と変わらない部分
| 変わらない | 変わる |
|---|---|
| 「こんな人」を先に決める | 探す場所(プロフィール・経歴・体験談の読み方) |
| 一人ずつ読んで書く四段の型 | 「相手のどこを読むか」と「締めで誘う場」 |
| 返信を当日か翌日に | 返信の形(承認・返信・受諾)と、返信後の画面の使い方。現在の仕様は管理画面とヘルプで確認 |
| 送る量は時間と枠で | 送れる数の枠の仕組み。管理画面とヘルプで確認 |
| 台帳で入口「スカウト」を持つ | 媒体ごとに台帳の入口を分ける |
媒体ごとの違いはスカウト文面の基本の「媒体ごとに変わるのは」と3媒体の違いと選び方で書きました。
掲載・イベントとの、分担
- スカウトは「こんな人に届ける」、掲載は「広く受ける」、イベントは「確かめる場」:母集団形成の媒体の組み合わせ方の「役割の、分け方」
- スカウトの締めで、回やインターンに誘える:イベントからの母集団形成
- スカウトで送った人が、企業ページや記事を読む:送る前に、読まれる順番を整える。掲載からの母集団形成
- 入口ごとに台帳を分け、近い人の面談数で配分を見直す
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 「こんな人」の一枚を合意する | 人事と面接官 |
| 検索条件を「こんな人」から作り、絞る | 人事 |
| 一人ずつ読んで書く | 送る人(人事、または現場) |
| 返信を当日か翌日に返す | 返信の担当 |
| 面談の枠を送る前に押さえる | 面談に出る人 |
| 送る量を時間と枠で決める | 人事責任者 |
| 台帳に入口「スカウト」で持ち、近い人の面談数を数える | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、「こんな人」の整理、検索条件の型、文面の型、返信の型、送る量の出し方、台帳の型までで、「こんな人」の決定、読んで書くこと、返信、面談、枠の確保は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは向き不向きの話です。スカウト型は、「こんな人」が決まっていて、読んで書く時間と返信の時間を確保できる会社に向きます。逆に、「こんな人」が決まっておらず「来た人から選びたい」会社や、担当の時間が週に短い会社には、スカウトは向きません。当社は3媒体すべてのスカウト型を扱いますが、相談の中で「読んで書く時間が取れない」と分かれば、スカウトの数を減らすか、掲載やイベントを先に回すことを勧めます。スカウトは、時間をかけた分だけ母集団の質が上がる入口で、時間をかけられない状態で送ると、送った数だけの「母集団に見える数」ができて、面談は増えません。
まとめ
- スカウトの母集団は「企業が選んで送り、返信した人」。送信数や承認率を母集団と数えない
- でき方は、「こんな人」を決める→絞って探す→一人ずつ読んで書く→当日か翌日に返す→場に誘う→面談で近さを見る→台帳で持つ。母集団になるのは返信以降で、質は送る前で決まる
- 「こんな人」を先に決め、検索条件はそこから作り、広げない。四段の型で二か所を変え、読んで書く時間を一通ごとに確保する
- 返信は当日か翌日、中身に答え、候補日を添える。返信後の場(面談・回・インターン)と枠を送る前に用意する
- 送る量は担当の時間と面談の枠で決め、逆算と突き合わせる。媒体で変わるのは「どこを読むか」「締めで誘う場」「返信の形」で、型と速さは変わらない
よくある質問
承認率や返信率が低いのですが、母集団を増やすには送る数を増やすべきですか
承認率や返信率が低いのは、送る相手が「こんな人」から遠いか、文面が読んで書かれていないかで、送る数を増やしても同じ率のまま、担当の時間だけが減ります。先に、送る相手を絞り、一通ずつ読んで書く形に直します。率が上がれば、同じ数で母集団が増えます。それでも足りなければ、担当の時間を足して送る数を増やします。順番は、質、それから量です。
送る人が現場の社員で、読んで書く時間が取れません
現場が送るなら、送る数を現場の時間で決めます。週に一通でも、読んで書かれた一通は、読まずに書いた数通より返信が来ます。人事が「読んだ一文」の候補を先に用意し、現場は「重なり」と「何を見るか」だけを書く分担もあります。現場の巻き込み方はOfferBoxの現場を巻き込む方法で書きました。
スカウトからの母集団形成は、御社に相談できますか
できます。当社は、「こんな人」の整理、検索条件の型、文面の型、返信の型、送る量の出し方、台帳の型を支えられます。「こんな人」の決定、読んで書くこと、返信、面談、枠の確保は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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