スカウト文面の基本構成|件名・冒頭・本文・締めの役割
スカウトの文面を書こうとして、何から書けばよいか分からない。会社の説明から始めて長くなる、件名が「スカウトのご案内」になる、締めが「ぜひご応募ください」で終わる。媒体はOfferBoxでもWantedlyでもワンキャリアでも、この止まり方は同じです。結論から言うと、媒体が違っても、読まれる文面の骨組みは同じです。四つの部分に分けます。件名は「相手の一文」、冒頭は「相手のどこを読んだか」、本文は「仕事の一日の場面」と「相手との重なり」と「選考で何を見るか」、締めは「話す場」への誘いです。会社説明は文面に入れず、企業ページと会社ページに任せます。型と空欄を分け、空欄は相手ごとに埋めます。媒体ごとに変わるのは、相手のどこを読むかと、締めで誘う場の形だけです。 この記事では、四つの部分の役割と書くこと、会社説明を任せること、型と空欄、媒体ごとに変わる点、分担を整理します。媒体ごとの文面はOfferBoxのオファー文面の構成、Wantedlyのスカウト文面の書き方、ワンキャリアのスカウト文面の書き方で書きました。この記事は、三つに共通する骨組みです。
この作業の目的|「自分宛」と分かる文面を、型で速く書く
スカウトが読まれない理由の多くは、文面が「誰にでも送れる文面」になっていることです。相手は、一覧の中で「自分宛か」を数秒で判断し、自分宛でなければ開かないか、開いても閉じます。
目的は、「自分宛」と分かる文面を、一通ごとにゼロから書くのではなく、型の空欄を埋める形で速く書けるようにすることです。
四つの部分と、役割
| 部分 | 役割 | 書くこと | 書かないこと |
|---|---|---|---|
| 件名 | 一覧の中で開かれる | 相手の一文に触れる言葉 | 会社名だけ、「スカウトのご案内」 |
| 冒頭 | 「自分宛」と分かる | 相手のどこを読んだか、一文で | 会社説明、挨拶の定型 |
| 本文 | 読み進める理由を渡す | 仕事の一日の場面、相手との重なり、選考で何を見るか | 事業の全体、実績、福利厚生の一覧 |
| 締め | 次の一歩を軽くする | 話す場への誘い、敷居を下げる一文 | 「ぜひご応募ください」 |
四つは、順番も固定です。冒頭を会社説明にしたり、締めを応募の要請にしたりすると、他の部分が良くても読まれません。
件名|相手の一文で、一覧の中から開かれる
- 相手のプロフィールやストーリーから拾った一文を、件名に:「〇〇を三年続けたと書かれていて」「△△を自分で作ったと拝見して」
- 会社名だけの件名にしない:一覧で他社と区別がつかない
- 「スカウトのご案内」「採用のご連絡」にしない:全部の会社が同じ件名で送っている
- 「特別」「限定」「優秀な」で持ち上げない:慣れている相手には読まれない
- 冒頭の一文を書いてから、それを縮めて件名にする:件名を先に考えない
件名で開かれなければ、冒頭以降は読まれません。媒体ごとの件名の考え方はOfferBoxのオファーの件名、Wantedlyのスカウトの件名、ワンキャリアのスカウトの件名で書きました。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「媒体が違えば、文面の書き方も全部違う」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、三つの媒体の文面を見ていますが、返信が来る文面の骨組みは、媒体に関係なく同じです。件名は相手の一文、冒頭は読んだこと、本文は仕事の場面と重なりと何を見るか、締めは話す場。返信が来ない文面も、媒体に関係なく同じで、件名が会社名、冒頭が会社説明、本文が事業の全体、締めが応募の要請です。媒体ごとに変わるのは、相手のどこを読むか(プロフィールの自由記述か、ストーリーか、体験談か)と、締めで誘う場の形(面談か、カジュアル面談か、確かめられる企業ページか)だけです。当社が文面の相談を受けるとき、最初にやるのは、媒体ごとの型を渡すことではなく、四つの部分に分けて、どの部分が役割を果たしていないかを見ることです。
冒頭|相手のどこを読んだかから、始める
- 最初の一文は、相手のことから:「〇〇のプロフィールで、△△を自分で始めて三年続けたと書かれているのを拝見しました」
- 会社説明から始めない:「私たちは〇〇を通じて」は、開いた瞬間に閉じられる
- 読んだ一文は、「見出し」ではなく「相手が書いた行動」:「〇〇大学の△△学部で」ではなく、「□□を続けた」「✕✕を作った」
- 拾えない相手には、送らない:拾えないまま見出しで埋めると、「読んでいない」と読まれる
冒頭で「自分宛」と分からなければ、本文は読まれません。相手の読み方は媒体ごとに違い、OfferBoxのプロフィールの読み方、Wantedlyのスカウトのターゲット、ワンキャリアのスカウトのプロフィールの読み方で書きました。
本文|仕事の場面と、重なりと、何を見るか
仕事の一日の場面
- 「入社した年に、〇〇の案件を先輩と二人で持つ」「午後は自分の判断で△△を進める」:事業の説明ではなく、その人の仕事
- 会社の側の説明を、一言に:「〇〇を作っている会社です」。それ以上は企業ページに
相手との重なり
- 冒頭で読んだ一文と、仕事の場面を、一文でつなぐ:「□□を続けた経験は、うちの〇〇の仕事と近いと思いました」
- 「重なる」と言い切らない:「近いと思いました」で、判断は相手に
- 重なりが書けない相手には、送らない
選考で何を見るか
- 「選考では、学生時代に続けたことの話を聞きます」:一文で
- 相手が準備できる形に:何を見るかが分かれば、相手は「自分に合うか」を判断できる
- 企業ページや会社ページに書いた「何を見るか」と、同じことを:文面と企業ページがずれない
本文は、この三つで足ります。長さの考え方はWantedlyのスカウト文面の長さの目安の考え方で書きました。
締め|「応募」ではなく、「話す場」へ
- 「ぜひご応募ください」「エントリーをお待ちしています」で終えない:敷居が上がる
- 「話す場」に誘う:「選考ではなく、この文面を書いた〇〇と、オンラインで短い時間、お話しする場です」
- 誰と、どんな形か、を一文で:「話す場」の中身が見えないと、相手は押せない
- 返信の敷居を下げる一文:「話を聞いてみたいと思われたら、一言だけご返信ください」
- 確かめられる場所を示す:「仕事の様子は、企業ページの〇〇に書いています」。文面で書いたことを、相手が自分で確かめられる形に
締めの形は、媒体ごとに違います。OfferBoxは面談、Wantedlyはカジュアル面談、ワンキャリアは企業ページと体験談で確かめてから受諾。それぞれOfferBoxの面談設計、Wantedlyのカジュアル面談の設計、ワンキャリアのスカウトと掲載のつなげ方で書きました。
会社説明は、文面に入れない
- 文面に入れる会社の説明は、「〇〇を作っている会社です」の一言だけ
- 事業の全体、沿革、実績、取引先、福利厚生の一覧は、企業ページと会社ページに:文面から来た相手が、読みたければ読む
- 文面が会社説明で埋まると、「自分宛」がなくなる:相手が読むのは「自分」と「仕事」と「人」
- 文面は「入口」で、会社説明は「確かめる場所」:役割を分ける
型と、空欄を分ける
| 型(募集ごとに一度作る) | 空欄(相手ごとに埋める) |
|---|---|
| 仕事の一日の場面 | 件名の「相手の一文」 |
| 会社の一言 | 冒頭の「相手のどこを読んだか」 |
| 選考で何を見るか | 本文の「相手との重なり」 |
| 話す場の形 | (なし。型のまま) |
| 敷居を下げる一文 | (なし。型のまま) |
型は、募集ごとに一度作れば、全通に使えます。空欄は三つで、相手を読まなければ埋まりません。一通あたりの時間は、読む時間が大半で、書く時間は短くなります。型の作り方はOfferBoxのオファー文面テンプレートを作るときの注意、Wantedlyのスカウトのテンプレート、ワンキャリアのスカウトのテンプレートで書きました。
媒体ごとに、変わる点
| 変わる点 | OfferBox | Wantedly | ワンキャリア |
|---|---|---|---|
| 相手のどこを読むか | プロフィールの自由記述 | プロフィールとストーリーの「なぜ」 | プロフィールと、相手が読んだ体験談 |
| 締めで誘う場 | 面談(選考ではない) | カジュアル面談(お互いを知る場) | 企業ページと体験談で確かめてから受諾 |
| 確かめられる場所 | 企業ページ | 会社ページと募集記事とストーリー | 企業ページと体験談 |
| 送る側の名義 | 現場か人事 | 代表か現場 | 現場か人事の個人名 |
骨組みは同じで、空欄の材料と締めの場の形だけが変わります。媒体の違いは3媒体の違いと選び方で書きました。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 四つの部分の型を、募集ごとに作る | 人事 |
| 仕事の一日の場面を話す | 現場の人 |
| 選考で何を見るかを決める | 面接官と人事 |
| 相手を読み、三つの空欄を埋める | 送る人 |
| 名義の人が文面を確認する | 名義の人 |
| 話す場に出る | 現場の人か名義の人 |
運用代行や代理店が支えられるのは、四つの部分の型、空欄の埋め方の見本、媒体ごとの違いの整理、件名と締めの型までで、相手を読むこと、空欄を埋めること、送ること、話す場に出ることは企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは順番の話です。当社がスカウト文面の相談を受けたとき、四つの部分を同時に直しません。先に、冒頭が「相手のどこを読んだか」から始まっているかを見ます。始まっていなければ、件名も本文も締めも、直しても読まれません。次に、締めが「話す場」になっているかを見ます。「ご応募ください」なら、冒頭と本文が良くても、返信の敷居で止まります。件名と本文は、この二つのあとです。当社が勧める順番は、冒頭、締め、件名、本文、です。冒頭と締めは、型を変えるだけで今日直せます。本文の仕事の場面は、現場に聞く時間が要ります。
まとめ
- 媒体が違っても、読まれる文面の骨組みは同じ。件名は「相手の一文」、冒頭は「読んだこと」、本文は「仕事の場面・重なり・何を見るか」、締めは「話す場」
- 件名を会社名や「スカウトのご案内」にしない。冒頭を会社説明で始めない。締めを「ご応募ください」で終えない
- 会社説明は「〇〇を作っている会社です」の一言だけ。事業の全体・実績・福利厚生は企業ページと会社ページに任せる
- 型(仕事の場面・会社の一言・何を見るか・話す場・敷居を下げる一文)は募集ごとに一度、空欄(相手の一文・読んだこと・重なり)は相手ごとに埋める
- 媒体ごとに変わるのは、相手のどこを読むかと、締めで誘う場の形と、確かめられる場所だけ。直す順番は、冒頭、締め、件名、本文
よくある質問
三つの媒体で、文面を全部別に作らなければなりませんか
骨組みと型は共通で、空欄の材料と締めの場の形だけを変えます。仕事の一日の場面と、会社の一言と、選考で何を見るかは、三つの媒体で同じでよいです。変えるのは、相手のどこを読むか(自由記述か、ストーリーか、体験談か)と、締めで「面談」「カジュアル面談」「企業ページで確かめてから」のどれに誘うか、です。一つの型から、三つの媒体の型を作れます。
本文が短すぎて、会社のことが伝わらない気がします
文面で会社のことを伝える必要はありません。文面は「自分宛」と「仕事の場面」で、相手が「話を聞いてみたい」と思う入口です。会社のことは、相手が企業ページや会社ページで自分で確かめます。文面に会社説明を足すと、「自分宛」が薄れ、読まれなくなります。短くて、相手のことと仕事の場面があるほうが、届きます。
スカウト文面の基本は、御社に相談できますか
できます。当社は、四つの部分の型、空欄の埋め方の見本、媒体ごとの違いの整理、件名と締めの型を支えられます。相手を読むこと、空欄を埋めること、送ること、話す場に出ることは、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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