リファラルからの母集団形成|「こんな人」を知る人に選んでもらう
社員や内定者の紹介で、母集団を作りたい。ところが、「誰か紹介して」と丸投げし、紹介の数を目標にし、紹介された人がどうなったかを紹介した人に返さず、制度だけ作って動かない。結論から言うと、リファラルは、「こんな人」を知っている人が選ぶ入口で、数は少なく質が高い入口です。紹介する人に「こんな人」を渡し、頼む形を軽くし、紹介された人の扱いを紹介した人に返します。選考との関係と制度は、自社の制度と管理部門で確認し、強制しません。 この記事では、リファラルで起きる失敗、母集団のでき方、「こんな人」の渡し方、頼む形、紹介された人への対応、紹介した人への返し方、制度、内定者からの紹介、他の入口との分担、数え方、分担を整理します。母集団の考え方は母集団形成の基本|量と質の順番、スカウトと紹介の違いはスカウトと紹介の違いで書きました。この記事の「紹介」は、社員と内定者による紹介で、エージェントによる紹介ではありません。
この作業の目的|「こんな人」を知っている人に、選んでもらう入口にする
社員と内定者は、「この会社で働くこと」を知っていて、「こんな人」が誰かを、文面や記事より正確に分かります。その人が「合いそう」と思って紹介する人は、他の入口より近い人であることが多い。数は少なくても、面談進行率と承諾率が高い入口です。
目的は、リファラルを「数の入口」ではなく、「知っている人が選ぶ、質の入口」として続く形にすることです。
リファラルで、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 紹介の数を、目標にする | 「こんな人」から遠い人が紹介され、断ると紹介した人との関係が悪くなる |
| 「誰か紹介して」と、丸投げする | 誰を紹介すればよいか分からず、動かない |
| 紹介された人の扱いを、紹介した人に返さない | 「紹介したのにどうなったか分からない」で、二度と紹介しない |
| 選考で優遇するかが、曖昧 | 紹介した人も、された人も、期待がずれる |
| 強制する | 紹介が「業務」になり、合わない人が紹介され、社員が疲れる |
| 制度だけ作って、動かない | 報奨の制度はあるが、頼む形も返す形もなく、使われない |
共通するのは、リファラルを「社員が動けば増える数」として扱っていることです。リファラルは「社員が選んで、会社が返す」関係です。
リファラルの母集団の、でき方
- 社員・内定者に、「こんな人」を渡す:入社後に合う人の条件を、行動の事実で
- 社員・内定者が、思い当たる人を、一人挙げる:「合いそう」と思った理由と一緒に
- 会社が、紹介された人に、連絡する:紹介した人の名前と、「合いそう」の理由を添えて
- 話を聞く場に、誘う:選考ではなく、まず話す場
- 紹介した人に、進み方を返す:会えたか、次に進んだか、進まなかった理由
- 台帳に、入口「リファラル」で持つ
「1」がないと「2」が動かず、「5」がないと二度目がありません。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「リファラルは費用がかからないから、まずリファラルで母集団を作るべきだ」というものです。当社は3媒体の販売パートナーで、リファラルは当社の商材ではありませんが、相談の中でリファラルの扱いを一緒に見ることがあります。費用は自社の制度で確認いただくとして、リファラルは「数の入口」にはなりません。社員が知っている人の数は限られ、その中で「こんな人」に近い人はさらに少ない。リファラルだけで採る人数に届く会社は、ほとんどありません。逆に、リファラルを「少数で質の高い入口」と位置づけ、スカウトや掲載と分けて持った会社は、リファラルから来た人の承諾率が高く、他の入口の「こんな人」の見直しにも使えています。当社がリファラルの相談を受けるとき、最初にやるのは、リファラルに「数」の期待を置いていないかを確かめることです。
紹介する人に、「こんな人」を渡す
- 「こんな人」の一枚を、社員に配る:行動の事実で。「主体性のある人」ではなく、「〇〇を自分で決めて動いた経験がある人」
- 「こういう人は、いま合わない」も渡す:紹介しなくてよい範囲が分かると、動きやすい
- 職種ごとに:全職種を一枚にまとめない
- 「一人でよい」と伝える:数を求めない
- 「こんな人」の作り方は母集団形成の基本|量と質の順番の「『質』を、先に決める」とOfferBoxで会う学生の評価基準の作り方
頼む形を、軽くする
- 「思い当たる人が、一人いれば」:いなければ、いなくてよい
- 紹介の形は、名前と「合いそうな理由」の一行だけ:本人への連絡は会社がする
- 業務時間内で、短く:懇親や研修の場の枠内で。OfferBoxで内定者に手伝ってもらう方法の手順2
- 頼む相手は、最初は数人:全員に一斉に頼まない。Wantedlyの記事づくりに社員の協力を得る方法の「最初に頼む相手の選び方」
- 上司の合意を先に取る:社員が動きやすい
紹介された人への、対応
- 当日か翌日に、連絡する:紹介した人の名前と、「〇〇さんが、あなたの〇〇を聞いて合いそうと言っていた」の一文
- まず、話を聞く場に:選考ではなく。紹介された人は「頼まれたから」来ることがあり、選考を急ぐと離れる
- 紹介した人が、場に同席するかは、本人と紹介された人に聞く
- 合わなければ、丁寧に伝える:紹介した人との関係がある
- 場の後の連絡を切らさない:OfferBoxの面談後のフォロー連絡
紹介した人に、返す
- 会えたか、次に進んだか、を返す:進まなかったなら、差し支えない範囲で理由も
- 返す間隔を決める:段が進むごと、または月に一度
- お礼は、制度どおりに:自社の制度と管理部門で確認
- 紹介した人に、「こんな人」の一枚の感想を聞く:現場から見た「こんな人」の修正に使える
- 返さないことが、二度目がなくなる最大の理由
選考との関係と、制度の確認
- 紹介された人を選考で優遇するかは、自社の方針で決め、社員と紹介された人に同じに伝える
- 報奨の制度は、自社の制度と管理部門で確認する:金額や条件は当社では扱わない
- 強制しない:紹介を評価に入れる、人数を割り当てる、はしない
- 制度があっても、頼む形と返す形がなければ動かない:制度は「動く形」の後ろにある
- 社内のルールと、個人情報の扱いを確認する:紹介された人の情報の扱い
内定者からの、紹介
- 内定者は、同じ年度の学生を知っている:「こんな人」に近い同級生
- 内定者研修や懇親の枠内で、強制せずに:OfferBoxで内定者に手伝ってもらう方法
- 内定者の紹介は、後期に効くことがある:「いま動いている理由がある人」を知っている。後期の母集団形成の考え方
- 内定者に頼めることと頼まないことを分ける:紹介は「思い当たる人が一人いれば」まで。選考の判断や説得は頼まない
- 内定者の紹介で来た人の扱いを、内定者に返す:内定者の承諾にも関わる
他の入口との、分担
- リファラルは「知っている人が選ぶ、少数で質の高い入口」:スカウトは「企業が届ける」、掲載は「広く受ける」。母集団形成の媒体の組み合わせ方
- 数はスカウトと掲載で、質の基準はリファラルで:リファラルから来た人の近さを、他の入口の「こんな人」の見直しに
- リファラルで来た人にも、企業ページと記事を:紹介の一文だけでなく、読む材料を。掲載からの母集団形成
- リファラルから来た人を、回やインターンに誘う:イベントからの母集団形成
数え方
| 数えるもの | 何が分かるか |
|---|---|
| 紹介された人のうち、「こんな人」に近い人の割合 | 「こんな人」が社員に伝わっているか |
| 紹介された人から、面談・選考に進んだ数と承諾率 | 質の入口として効いているか |
| 紹介した人の数と、二度目の紹介があったか | 返す形が動いているか |
| 紹介した人からの「こんな人」の修正 | 他の入口の質の見直しに使えたか |
紹介の数を目標にしません。台帳で入口「リファラル」を分け、採用ファネルの作り方の入口ごとの表で持ちます。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 「こんな人」の一枚を職種ごとに作り、社員に渡す | 人事と面接官 |
| 選考との関係と制度を、自社の制度と管理部門で確認し決める | 人事責任者と管理部門 |
| 上司の合意を取り、最初の数人に頼む | 人事 |
| 思い当たる人を一人挙げる | 社員・内定者(任意) |
| 紹介された人に当日か翌日に連絡し、話す場に誘う | 人事 |
| 紹介した人に進み方を返す | 人事 |
| 台帳に入口「リファラル」で持つ | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、「こんな人」の整理、頼む形の型、返す形の型、台帳の型、他の入口との分担の整理までで、制度の決定、頼むこと、連絡、返すことは企業が行います。リファラルの制度そのものは当社の商材ではありません。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これはどこまでやるかの線引きの話です。当社は3媒体の販売パートナーで、リファラルは当社の商材ではなく、報奨の制度や運用の代行は当社では扱いません。それでもリファラルの話をするのは、リファラルから来た人の近さが、スカウトや掲載の「こんな人」を見直す最も良い材料だからです。社員が「合いそう」と選んだ人と、スカウトで「こんな人」として選んだ人が、面談で違って見えるなら、「こんな人」の一枚がずれています。当社が支えるのは、そのずれを見つけて、スカウトと掲載の質に戻すところまでで、リファラルの制度と運用は企業が決め、動かしてください。
まとめ
- リファラルは「こんな人」を知っている人が選ぶ入口で、数は少なく質が高い。数を目標にせず、「誰か紹介して」と丸投げしない
- 紹介する人に「こんな人」と「いま合わない人」を行動の事実で渡し、「一人でよい」と伝え、名前と理由の一行だけ、業務時間内で、最初は数人に頼む
- 紹介された人には当日か翌日に、紹介した人の名前と理由を添えて連絡し、まず話す場に。合わなければ丁寧に伝える
- 紹介した人に進み方を返す。返さないことが二度目がなくなる最大の理由。選考との関係と制度は自社の制度と管理部門で確認し、強制しない
- 他の入口と分けて台帳で持ち、リファラルから来た人の近さを、スカウトと掲載の「こんな人」の見直しに使う
よくある質問
制度を作ったのに、紹介が一件もありません
制度の前に、「こんな人」が社員に渡っているか、頼む形が「一人いれば」になっているか、頼む相手が決まっているか、を確かめます。多くは、「誰か紹介して」の一斉連絡で止まっています。最初は数人に、「こんな人」の一枚を見せて、「思い当たる人が一人いれば」と頼みます。一件でも動いたら、その人にどうなったかを返し、二度目につなげます。
紹介された人を断ったら、紹介した社員との関係が心配です
「こんな人」の一枚を先に渡していれば、断る理由がその一枚で説明でき、紹介した人も納得しやすい。断るときは、紹介した人に先に、差し支えない範囲で理由を伝え、「紹介してくれたこと」への感謝を分けて伝えます。関係が悪くなるのは、断ったことではなく、どうなったかを返さなかったときです。
リファラルからの母集団形成は、御社に相談できますか
できます。当社は、「こんな人」の整理、頼む形の型、返す形の型、台帳の型、他の入口との分担の整理を支えられます。制度の決定、頼むこと、連絡、返すことは、企業が行ってください。リファラルの制度そのものは当社の商材ではありません。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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本記事は 2026/9/13 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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