大学・学校との関係づくり|自社の状態を点検するチェックリスト
求人を出せば応募が来た時代の設計のまま、媒体だけを増やしている会社は多い。工数は増えるのに結果が変わらないのは、やり方ではなく前提が古いためである。
点検の目的
大学・学校との関係づくりに手を打つ前に、いまの状態を把握しておきたい。できていないことを洗い出すより、できていることを確認するほうが、次にやることが決まりやすい。
キャリアセンターとの関係は一年では作れない。求人票を出すだけの関係から、学内の行事に関わる関係へ進めるかが鍵になる。
基本の確認項目
まず、この項目に答えられるかどうかを確認したい。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。
- 学校に持っていく資料が求人票以外に用意されているかどうか
- 過去に採用した卒業生の現在を説明できるかどうか
- 誰がどの学校とつながっているかを社内で共有できているかどうか
- 学内行事への参加を事前・事後まで設計しているかどうか
体制の確認
中身が揃っていても、動かす人がいなければ進まない。誰が、いつ、どの権限で決めるのかを確かめたい。
- この取り組みの担当者が決まっているか
- 担当者が週に確保できる時間が決まっているか
- 判断が必要になったとき、誰が決めるかが決まっているか
- 進捗を確認する場と頻度が決まっているか
点検の後にやること
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選ぶ。全部を同時に埋めようとすると、どれも終わらない。
担当と期限まで決めて、ようやく点検が意味を持つ。そこを飛ばすと、確認した事実だけが残る。
大学・学校との関係づくりを自社の言葉にする
キャリアセンターとの関係は一年では作れない。求人票を出すだけの関係から、学内の行事に関わる関係へ進めるかが鍵になる。
自社の話に落とすときは、学校に持っていく資料が求人票以外に用意されている、過去に採用した卒業生の現在を説明できる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、誰がどの学校とつながっているかを社内で共有できているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「ツールを入れれば解決する」という期待も外れやすい。運用の型ができていない状態でツールを入れると、入力されないまま放置される。まず表計算ソフト一枚で回してみるほうが早い。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 学校に持っていく資料が求人票以外に用意されているかどうか
- 過去に採用した卒業生の現在を説明できるかどうか
- 誰がどの学校とつながっているかを社内で共有できているかどうか
- 学内行事への参加を事前・事後まで設計しているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
複数の課題が同時にあります。どれからやるべきですか。
採用の流れの上流にあるものからです。母集団が足りていない状態で選考の設計を磨いても、効果は限定的になります。逆に、上流が足りているのに終盤で落ちているなら、選考側から手をつけます。
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- 人事1人の採用体制一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。
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この記事のまとめ
採用の巧拙は、特別な施策ではなく前提の置き方で決まる。前提を書き出して社内で見せ合うだけでも、噛み合っていない部分が見えてくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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