母集団形成の振り返り方|翌年の配分を決める場にする
年度が終わり、母集団形成を振り返りたい。ところが、「今年は少なかった」「来年は頑張る」の反省会で終わり、数字だけで来た人の声がなく、翌年の配分に落ちず、「こんな人」も更新されない。結論から言うと、振り返りは「反省会」ではなく「翌年の配分を決める場」です。入口ごとに「近い人の面談数・日数・割合」と「担当の時間」を並べ、効いた入口・効かなかった入口・理由が分からない入口の三つに分け、翌年に残すもの・変えるもの・やめるものを一枚にします。来た人の声と「こんな人」の更新を、同じ場で行います。 この記事では、振り返りで起きる失敗、目的、材料、入口の三分類、翌年の一枚、「こんな人」の更新、上司への報告、時期、分担を整理します。母集団の考え方は母集団形成の基本|量と質の順番、KPIは母集団形成のKPI、週と月の見直しはOfferBox運用の週次レビューのやり方で書きました。この記事は、年度の切れ目の振り返りです。
この作業の目的|今年の記録を、翌年の配分に変える
振り返りの目的は、「今年どうだったか」を語ることではなく、「翌年、どの入口に、どれだけの時間を使うか」を決めることです。今年の記録が翌年の配分に変わらなければ、振り返りは反省会で終わり、翌年も同じ配分で同じ結果になります。
目的は、振り返りを「翌年の一枚」を作る場にすることです。
振り返りで、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 反省会になる | 「もっと早く動くべきだった」で終わり、翌年に何を変えるかが決まらない |
| 全入口を足して「今年は少なかった」 | どの入口が効いたかが見えず、全部を続けるか全部を変えるかになる |
| 数字だけで、来た人の声がない | 数字が「なぜ」を語らない。直す場所が推測になる |
| 翌年の配分に、落ちない | 振り返りの結論が「来年も頑張る」で、配分は前年のまま |
| 担当の時間を、見ない | 効いた入口が、時間あたりで効いたのかが分からない |
| 「こんな人」を、更新しない | 今年会った人と入社した人の記録が、一枚に戻らない |
共通するのは、振り返りの「出口」が決まっていないことです。出口は、翌年の一枚です。
振り返りの、材料
| 材料 | どこから | 何に使うか |
|---|---|---|
| 入口ごとの三つ(近い人の面談数・日数・割合) | 台帳。母集団形成のKPI | 入口の三分類 |
| 入口ごとの担当の時間 | 週の記録。読んで書く時間、返信、面談、記事、回 | 時間あたりの近い人の面談数 |
| 来た人の声 | 面談で聞いた「どこで知ったか」「なぜ来たか」「何が不安だったか」 | 数字の「なぜ」 |
| 来なかった理由 | 辞退・離脱のときに聞けた理由 | 細い段の理由 |
| 入社した人の様子 | 入社後の記録。「こんな人」に近かったか | 「こんな人」の更新 |
| 今年変えたこと | 月の見直しで直した記録 | 何が効いたかの因果 |
材料が台帳と週の記録から出るなら、振り返りの準備は短い。出ないなら、翌年は台帳と記録を先に整えます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「振り返りは、数字が悪かった年にやるものだ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、年度の切れ目の相談を受けていますが、数字が良かった年に振り返らなかった会社は、「なぜ良かったか」が分からないまま翌年に同じ配分を続け、担当が変わったり媒体の状況が変わったりしたときに、戻す元がありません。逆に、良かった年にも「どの入口が、なぜ効いたか」を一枚に残した会社は、翌年に効いた入口へ時間を寄せ、効かなかった入口をやめて、良かった年をさらに良くしています。振り返りは、悪かった年の反省ではなく、良かった年の「なぜ」を残す場でもあります。当社が振り返りの相談を受けるとき、最初にやるのは、「今年、効いた入口はどれで、なぜですか」を先に聞くことです。
入口を、三つに分ける
| 分類 | 何を見て決めるか | 翌年 |
|---|---|---|
| 効いた入口 | 近い人の面談数が逆算の配分に届き、割合が高く、時間あたりで良い | 残す。時間を寄せる |
| 効かなかった入口 | 近い人の面談数が届かず、割合が低いか、時間あたりで悪い。理由が分かっている | やめるか、役割を変える。契約の切れ目で |
| 理由が分からない入口 | 数字は悪いが、来た人の声も担当の時間の記録もなく、なぜかが分からない | 翌年は記録を整えて、一年だけ続けるか、小さくする |
「理由が分からない入口」を「効かなかった」に入れないことが要点です。理由が分からないままやめると、翌年に戻せず、理由が分からないまま続けると、時間が消えます。分け方は母集団形成の媒体の組み合わせ方の「減らす判断」でも書きました。
翌年の一枚|残す・変える・やめる
- 残す:効いた入口と、その運用の型。「何を、誰が、どの頻度で」を書く
- 変える:役割を変える入口、「こんな人」の更新で送る相手が変わる入口、時期の配分を変える入口
- やめる:効かなかった入口。契約の切れ目と、進行中の学生の扱いを書く
- 足す:役割が違う入口を一つ足すなら。足す理由と、時間の出所
- 担当の時間の配分:入口ごとに、週にどれだけ
- 翌年の逆算:今年の率で置き直した必要数。母集団の目標数の決め方
一枚で、翌年の最初の月から動ける形にします。一枚に落ちない振り返りは、終わっていません。
「こんな人」を、同じ場で更新する
- 入社した人の記録を、一枚に戻す:「こんな人」に近かった人が、入社後にどうか。最も確かな更新
- 面談で「近い」と判断した人の共通点を、一枚に足す
- 入口で「近い」と判断したのに面談で「遠い」だった人の共通点から、入口の見方を直す
- リファラルや大学との関係で来た人の近さを、他の入口の「こんな人」の見直しに:リファラルからの母集団形成
- 更新した一枚を、翌年の送る人と面接官で合意し直す:母集団の質を上げる方法の「面談の記録で、『こんな人』を更新する」
上司への報告
- 翌年の一枚を、そのまま報告にする:「今年の結果」より「翌年の配分」を主に
- 今年の数字は、入口ごとの三つと、採る人数に対する到達で:入口の数の合計を入れない
- 「効いた入口・効かなかった入口・理由が分からない入口」の三分類を見せる:全部を続ける・全部を変える、にならない
- やめる入口の、契約と進行中の学生の扱いを添える
- 報告の型は経営層にOfferBoxの成果を説明する方法
時期
- 年度の切れ目、翌年の最初の入口が動く前に:翌年の配分が、翌年の最初の月に効く形で
- 契約の更新時期の前に:やめる入口の契約の切れ目に間に合う。複数媒体を代理店でまとめる方法の手順3
- 内定者フォローと重なる時期:振り返りの時間を先に確保
- 年度の途中でも、大きく外れたら一度:月の見直しで直せない大きさなら
- 年度の区切りは、年度の公表内容と自社の方針で確認
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 材料(台帳・時間・声・入社後)を揃える | 人事 |
| 入口を三つに分ける | 人事と責任者 |
| 翌年の一枚(残す・変える・やめる・足す・時間・逆算)を作る | 人事と責任者 |
| 「こんな人」を更新し、面接官と合意し直す | 人事と面接官 |
| やめる入口の契約と進行中の学生の扱いを決める | 人事責任者 |
| 上司に翌年の一枚で報告する | 人事責任者 |
| 翌年の最初の月から、一枚どおりに動く | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、材料の型、三分類の整理、翌年の一枚の型、「こんな人」の更新の型、報告の型までで、分類の判断、やめる判断、一枚の決定、合意、報告は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは順番の話です。振り返りの相談で、「来年、新しい媒体を足したい。今年の振り返りはその後で」と言われることがあります。当社は3媒体を扱いますが、振り返りの前に媒体を足すことを勧めません。今年の入口が三つに分かれていなければ、足した媒体が「効いた入口」の時間を奪うか、「効かなかった入口」と同じ理由で効かないか、が分かりません。順番は、今年の入口を三つに分ける、翌年の一枚を作る、一枚の中で「足す」の欄が要るなら足す、です。「足す」が先に決まっている振り返りは、振り返りではなく、足す理由づけになります。当社は、足す相談を受けたとき、先に今年の三分類を一緒に作ります。
まとめ
- 振り返りは「反省会」ではなく「翌年の配分を決める場」。出口は翌年の一枚で、一枚に落ちない振り返りは終わっていない
- 材料は、入口ごとの三つ(近い人の面談数・日数・割合)、担当の時間、来た人の声、来なかった理由、入社した人の様子、今年変えたこと。台帳と週の記録から出す
- 入口を「効いた・効かなかった・理由が分からない」の三つに分け、理由が分からない入口を「効かなかった」に入れない
- 翌年の一枚は、残す・変える・やめる・足す・時間の配分・翌年の逆算。「こんな人」の更新を同じ場で行い、面接官と合意し直す
- 良かった年にも「なぜ」を残す。時期は年度の切れ目、契約の更新の前、翌年の最初の入口が動く前
よくある質問
台帳も時間の記録もなく、振り返る材料がありません
今年は、覚えている範囲で「効いた入口・効かなかった入口・理由が分からない入口」に分け、ほとんどが「理由が分からない」になることを受け入れます。翌年の一枚の最初の項目を「台帳と週の記録を整える」にし、翌年は材料が揃った振り返りができる形にします。材料がない年の振り返りは、材料を作る翌年の準備です。台帳の型はOfferBox運用のKPI設計の手順5で書きました。
効かなかった入口を、上司が「もう一年続けろ」と言います
「効かなかった理由」が分かっているかで答えが変わります。理由が分かっていて、直しても効かないなら、やめる根拠を三つの数字と時間で示します。理由が分からないなら、「理由が分からない入口」として、翌年は記録を整えて一年だけ小さく続け、翌年の振り返りで決める、と提案します。「続けろ」に「はい」と答えるより、「何を記録して、翌年に何で判断するか」を決めるほうが、翌年に同じ議論をしなくて済みます。
母集団形成の振り返り方は、御社に相談できますか
できます。当社は、材料の型、三分類の整理、翌年の一枚の型、「こんな人」の更新の型、報告の型を支えられます。分類の判断、やめる判断、一枚の決定、合意、報告は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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