OfferBoxの運用代行に任せられる範囲と自社で持つ判断|作業と判断の分け方
「運用代行に出すと、どこまでやってもらえるのか」「出したら自社は何もしなくてよいのか」という質問を受けます。結論から言うと、代行に出せるのは「作業」で、出せないのは「判断」です。読む、書く、送る、返信する、記録する、率を置き直す、は作業なので出せます。誰を採るか、譲れない条件は何か、会うか、選考に進めるか、内定を出すか、は判断なので出せません。 作業を出し、判断を持つ。この線で分けると、代行に出しても運用は自社のものであり続けます。この記事では、OfferBoxの運用の各段階を作業と判断に分け、代行に出せるもの、出すと危ないもの、段階的に出す順番、代行との週次、戻すときの引き継ぎを整理します。自社運用と代行の一般的な違いは媒体を自社で運用するか代行に出すかの違い、代理店の代行の型は代理店に運用まで頼めるかで書きました。この記事はOfferBoxの運用に絞った各段階の線引きです。当社もOfferBoxの運用代行を行っているので、当社の線引きも書きます。
この作業の目的|代行に出しても、運用を自社のものにする
代行に出す目的は、送る時間が取れない会社が、送る作業を外に出して、承認と面談を回すことです。ところが、出し方を間違えると2つの失敗が起きます。
1つは「丸投げ」です。人物像も条件も代行に任せると、面談に来た学生が社内の期待とずれ、面接官が「思っていた人と違う」と感じ、代行を切ります。もう1つは「出し切れない」です。作業まで自社で抱えたまま代行に相談だけしていると、送る時間が取れない状態は変わらず、止まります。
作業を出し、判断を持つ。この線引きが、代行に出しても運用が自社のものであり続ける条件です。
手順1|各段階を「作業」と「判断」に分ける
OfferBoxの運用の各段階を、作業と判断に分けます。判断は自社、作業は代行に出せます。
| 段階 | 判断(自社) | 作業(代行に出せる) |
|---|---|---|
| ターゲット設計 | 何人を、どの職種で、何が譲れないか | 決まったものを検索条件に落とす。ターゲット設計 |
| ペルソナ | 採りたい学生像を条件・志向・行動で決める | 型と質問で引き出す。決めるのは企業。ペルソナの作り方 |
| 検索 | 譲れない条件を決める | 条件を設定し、件数を送る数と読む時間で調整する |
| 読む | 「自社の仕事で何が求められるか」をペルソナに書く | 自由記述を読み、触れる一文を拾い、記録する。プロフィールの読み方 |
| 書く | 仕事の中身と名義の口調を現場の言葉で確認する | 冒頭を書く。テンプレートの共通部分を下書きする |
| 送る | 送る時期と山を採用計画から決める | 送る。ペースを面談枠から逆算する |
| 返信 | 面談枠を出す | 承認に当日返信し、候補を出し、日程を確定する。承認後の連絡 |
| 面談 | 面談する。選考に進めるかを決める | 面談前の情報を1枚にする。面談後のフォローの連絡 |
| 選考 | 面接する。段階ごとの目的を決める。合否を決める | 結果連絡と次の段階の日程調整 |
| 内定 | 内定を出す。承諾の条件を聞く。話せる場に出る | 連絡の骨格を回す。記録する |
| 記録・レビュー | 止まっている段階の特定と、直すことの決定(代行と一緒に) | 記録をつける。率を置き直す。週次の資料を作る。KPI設計 |
| 更新 | 仕事の中身と人の変化を伝える | テンプレートと企業ページの下書きを直す |
表を見ると、代行に出せる作業は多く、自社に残る判断は「決める」「会う」「伝える」に集約されます。
手順2|代行に出すと危ないもの
判断の中でも、出すと運用が崩れるものを挙げます。
- 人物像を決めること:代行が決めると、面談に来た学生がずれる。代行は聞いて整理する側
- 譲れない条件を決めること:代行が緩めると条件外の学生に送り、厳しくすると対象が残らない。決めるのは面接官と人事
- 仕事の中身を書くこと:代行が想像で書くと、面談で「文面と違う」となる。現場の言葉で確認する
- 面談と面接:代行は出られない。名義の人と面接官が出る
- 面談枠を出すこと:代行は面接官の予定を押さえられない。枠が出なければ、返信に候補を書けない
- 選考に進めるか、内定を出すかの判断:代行が関わる余地は無い
「仕事の中身を書くこと」は、作業に見えて判断です。何をどう書くかは、現場にしか分からないからです。代行は下書きし、現場が直す形にします。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「運用代行に出せば、採用の作業から解放される」というものです。実際には、代行に出しても、決める・会う・伝えるの3つは残ります。当社がOfferBoxの運用代行を受けるとき、最初の打ち合わせで「当社がやること」と「企業にやっていただくこと」を表にして渡すのは、この思い込みを最初に解くためです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして契約後の運用を見ていますが、代行に出して「効かなかった」となった会社の多くは、面談枠が出ない、面談の結果が戻らない、人物像が決まらない、のどれかで、代行の作業の質ではなく、自社に残る判断が止まっていた会社です。代行に出すなら、残る判断に時間を使う。残る判断とは、決める・会う・伝える。この3つに集中できる分、自社運用より判断の質は上がります。作業を出して、判断に集中する。それが、代行を使う意味です。
手順3|段階的に出す順番
最初から全部の作業を出す必要はありません。止まっている作業から、段階的に出します。
- 読んで書いて送る:最も時間がかかる作業。1人で回らない会社は、まずここから。自社は返信と面談を持つ
- 返信と日程調整:毎日見られない会社は、次にここ。面談枠を週の初めに代行に渡す
- 記録と率の置き直し、週次の資料:数字を整理する時間が無い会社は、ここも出す。見るのは自社
- テンプレートと企業ページの下書きの更新:年に数回の更新を代行が下書きし、現場が直す
- 面談前の情報整理と、面談後のフォローの連絡:面談そのものは自社だが、前後の連絡は出せる
逆に、最後まで出さないのは、人物像、譲れない条件、面談、面接、内定の判断です。ここが出た時点で、運用は自社のものでなくなります。
どの作業を出すかは、人事1人でOfferBoxを回す運用設計で書いた「止まる作業だけ外に出す」の考え方と同じです。
手順4|代行との週次の持ち方
代行に出しても、週次レビューは自社と代行で一緒に持ちます。持ち方は週次レビューのやり方で書きました。代行の場合に足すことを並べます。
| 項目 | 代行がやること | 自社がやること |
|---|---|---|
| 記録の事前共有 | 段階ごとの数と日数、目標との差、止まっている段階の候補を資料にして送る | 読んでおく |
| 止まりの確認 | 送ったか、返信したかを報告 | 面談が翌週に入っているかを確認 |
| 原因の切り分け | 文面・条件・見に来た先の観点で案を出す | 面談枠・返信の体制・面接官の観点で判断 |
| 翌週に直すこと | 文面と条件の変更を担う | 面談枠と体制の変更を担う |
| 面談の結果 | 記録する | 戻す(面接官から聞いて代行に伝える) |
「面談の結果を戻す」が、代行との週次で最も大事です。代行は送ることはできても、会った結果は自社しか知りません。戻らないと、代行は条件と文面を直せず、自社は「代行が改善しない」と感じます。
手順5|代行から自社に戻すときの引き継ぎ
代行を頼んでいた作業を、自社に戻すことがあります。担当が増えた、時間が取れるようになった、代行の契約が終わる。戻すときに引き継ぐものを、代行を頼む前に確認しておきます。
- 文面のテンプレート:共通部分、型、冒頭の空欄の指示。企業の名義で送っている文面なので、企業のもの
- 検索条件と、その根拠:どの条件で、なぜそう設定したか
- 管理表:送った学生、触れた一文、承認、面談、結果
- 割合の実績と、送信計画:いまの率と、残りの期間の計画
- 効いた文面と条件の記録:何が効いて何が効かなかったか
- 週次の記録:止まった週と、直したこと
この引き継ぎは、運用を担当者間で引き継ぐ方法で書いた「判断の元」と同じものです。代行に頼むときに、「やめるときにこれを書面でもらえるか」を確認しておきます。確認の仕方は代理店に聞くべき質問で書きました。当社の場合、代行の期間中も管理表と記録は企業と共有し、やめるときはテンプレートと条件と記録をまとめて渡します。
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 人物像まで代行に任せる | 面談に来た学生が社内の期待とずれる | 人物像は自社。代行は聞いて整理 |
| 仕事の中身を代行が想像で書く | 面談で「文面と違う」となる | 代行が下書き、現場が直す |
| 面談枠を出さない | 代行が候補を書けず、返信が遅れる | 週の初めに枠を渡す |
| 面談の結果を戻さない | 代行が条件と文面を直せない | 面談のたびに戻す |
| 全部を一度に出す | 何が止まっていたか分からない | 止まっている作業から段階的に |
| 出し切れない | 送る時間が取れない状態が変わらない | 読んで書いて送るを、まず出す |
| 週次を代行任せにする | 面談枠と体制の話が決まらない | 一緒に持つ |
| やめるときの引き継ぎを確認しない | テンプレートと記録が残らない | 頼む前に確認する |
最も多いのは、「面談の結果を戻さない」です。代行に出したあと、自社の作業は減りますが、「戻す」だけは残ります。
当社の線引き
当社がOfferBoxの運用代行を受けるときの分担を、参考として置きます。
| 当社がやること | 企業にやっていただくこと |
|---|---|
| ペルソナの型と質問で引き出す | 人物像を決める |
| 検索条件の設定と調整 | 譲れない条件を決める |
| 自由記述を読み、触れる一文を拾い、冒頭を書く | 仕事の中身と名義の口調を確認する |
| テンプレートの共通部分の下書き | 現場の言葉に直す |
| 送る。ペースを面談枠から逆算する | 面談枠を週の初めに出す |
| 承認に当日返信し、日程を確定する | 面談する。結果を戻す |
| 面談前の情報整理、面談後のフォローの連絡 | 選考に進めるか決める |
| 記録、率の置き直し、週次の資料 | 週次に出て、面談枠と体制を決める |
| テンプレートと企業ページの下書きの更新 | 仕事と人の変化を伝える |
| やめるときにテンプレート・条件・記録を渡す | ― |
企業の時間は、決める・会う・伝えるに集中します。この形で、送る時間が取れない会社でも、承認と面談が回ります。
エージェントベストの見解
自社で持つべきなのは、どこまでか。当社が線を引くなら、「決める・会う・伝える」の3つです。決めるのは人物像と譲れない条件と選考の合否、会うのは面談と面接、伝えるのは仕事の中身と面談の結果と社内の変化。この3つは、当社が代われないからではなく、代わると運用が企業のものでなくなるから、企業に残します。逆に、読む・書く・送る・返信する・記録する・置き直す・下書きする、は当社が代わっても運用の中身は変わりません。企業の名義で、企業のペルソナで、企業の仕事の中身で送るからです。代行に出すかどうかを迷っている会社には、この表を見て「決める・会う・伝えるに、週に何時間使えるか」を考えてもらいます。それが取れるなら、代行に出しても運用は企業のものです。取れないなら、代行に出しても止まります。
まとめ
- 代行に出せるのは作業(読む・書く・送る・返信・記録・置き直し・下書き)、出せないのは判断(決める・会う・伝える)
- 人物像、譲れない条件、仕事の中身、面談と面接、面談枠、合否は、出すと運用が崩れる
- 止まっている作業から段階的に出す。まず読んで書いて送る、次に返信、次に記録
- 週次は自社と代行で一緒に持つ。面談の結果を戻すことだけは、代行に出しても残る
- やめるときの引き継ぎ(テンプレート・条件・管理表・記録)を、頼む前に確認する
よくある質問
代行に出せば、社内の時間はゼロになりますか
なりません。決める・会う・伝えるの3つは残ります。人物像と条件を決める、面談と面接に出る、面談の結果と社内の変化を代行に伝える。この3つに週に使える時間があるかが、代行に出して回るかどうかを決めます。
代行の文面が、自社の言葉になっていない気がします
仕事の中身の部分は、現場の言葉で確認する形になっているかを見ます。代行が想像で書くと一般的になります。当社の場合、共通部分と仕事の中身は下書きを現場に直してもらい、冒頭は企業のペルソナに沿って当社が書きます。直す工程が無いなら、契約の形を見直します。
御社の運用代行は、どこまでやってもらえますか
この記事の「当社の線引き」の表のとおりです。読む・書く・送る・返信・記録・率の置き直し・下書きの更新を当社が行い、人物像・条件・面談・面接・合否・面談枠・結果を戻すことは企業が行います。やめるときは、テンプレートと条件と記録をまとめて渡します。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
あわせて読みたい
- スカウト文面文面は長さではなく、なぜあなたなのかが最初の3行に書いてあるかで読まれるかどうかが決まる。
- スカウトの年間スケジュール学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。
- スカウトテンプレートの運用テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作る。
- 知名度に頼らない採用知名度は採用の前提条件ではない。
- 求人票・募集要項の書き方求人票は条件の一覧ではなく、読んだ人が自分の一日を想像できる文章であるべき。
- オンライン面接・Web説明会オンラインは移動時間の制約を外すため、地方企業にとっては県外学生に会える手段になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
相談無料 / OfferBox運用代行(完全成果報酬型)
OfferBoxの運用、ひとりで抱えていませんか
- 検索条件・オファー文面・承認後の面談まで、いまの運用を一緒に点検します
- 運用代行は入社承諾時のみ課金の完全成果報酬(1名20万円)
- これから始める場合も、導入前の設計からご相談いただけます
OfferBox運用代行の他の記事
- OfferBoxの運用代行の費用の見方|媒体費と代行費を分けて比べる OfferBoxの運用代行を検討するなら、媒体の料金と代行の費用を別の請求として分けて比べるのが要点です。i-plug自身の代行に関する公開情報の有無、規約上の運用委託のルール、見積もりで確かめる項目を整理します。
- OfferBox運用代行|進め方と最初の3か月でやること OfferBox運用代行を立ち上げるとき、何から手をつけ、どの順番で整えていくかを3か月の流れで整理しました。
- OfferBox運用代行|着手前のチェックリスト OfferBox運用代行に取り組む前に、自社がどこまで決まっているかを点検するための確認項目をまとめました。
- OfferBox運用代行|数字の見方と改善の順番 OfferBox運用代行の成果を、送信・開封・返信・面談の段階に分けて見るための考え方をまとめました。
- OfferBoxの運用代行に不満があるときの見直し点|作業と判断の分け直し OfferBoxの運用代行への不満は、「誰が何を持つか」の問題として直します。不満の四つの正体、自社が渡していたものの確かめ方、作業と判断の分け直し、報告の型、戻す手順と切り替えの判断を解説します。
- OfferBox運用代行|かかる工数と続けられる体制 OfferBox運用代行に必要な作業時間を見積もり、担当者の体制に合わせて設計する方法をまとめました。