金融(地銀・信金・保険)の業界イメージの壁を越える|採用広報で伝えること
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
イメージは変えられないが、迂回はできる
金融(地銀・信金・保険)という業種に対する学生のイメージを、一社の発信で変えることはできない。現実的な戦い方は、イメージの外側にある仕事を先に見せて、判断の順番を変えることである。
地域経済の担い手という立ち位置は学生に伝わりやすいが、業務の変化が伝わっていない。デジタル化と法人支援の実務を語れると、志望動機の質が上がる。
社内では当たり前のことが武器になる
自社の強みを聞くと「社員の人柄」「アットホーム」と答える会社が多い。これらは他社と区別がつかないので、採用広報の材料にならない。
代わりに、自社の製品やサービスが最終的に誰の手に届いているかを説明したい。金融(地銀・信金・保険)の会社では、この接続が学生に見えていないことが多い。
同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。
発信する場所を絞る
採用サイト、SNS、動画、パンフレット。人員が限られているなら一つに絞る。絞るなら採用サイトが基本になる。
採用サイトは応募を取る場所ではなく、興味を持った学生が確認しに来る場所である。ここが空だと、接点の効果が消える。
まず用意する3点
予算をかけずに作れるものから始めたい。
- 入社1〜3年目の社員が実際に何をしているかの記録(職種ごとに1件ずつ)
- 自社の製品・サービスが使われている場面の説明
- 選考の流れと、各段階で誰が出てくるかの一覧
金融(地銀・信金・保険)で募集する職種を分けて考える
金融(地銀・信金・保険)が新卒で募集する職種は、総合職、法人営業、事務企画、システムなどに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば総合職とシステムでは、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
地域経済の担い手という立ち位置は学生に伝わりやすいが、業務の変化が伝わっていない。デジタル化と法人支援の実務を語れると、志望動機の質が上がる。
よくある誤解
「学生は安定を求めている」という説明も、言葉が大きすぎる。何をもって安定とするかは人によって違い、事業の継続性を指す人もいれば、勤務地が変わらないことを指す人もいる。
「同業に勝てないから他業種から採る」という発想は方向としては正しいが、そのままでは伝わらない。他業種の学生には、金融(地銀・信金・保険)の仕事が何に似ているかを説明する言葉が要る。
「求人票は法務的に問題がなければよい」という扱いをしている会社は多い。読んで応募するかどうかを決める文書なので、条件の羅列で終わらせると比較の土俵に乗らない。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 金融(地銀・信金・保険)で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
業種名だけで敬遠されている感じがします。
金融(地銀・信金・保険)という括りで判断されると、仕事の中身が見られる前に候補から外れます。募集要項の冒頭を業種の説明ではなく仕事の説明から始める、スカウトの文面で業種名を先頭に置かない、といった順番の入れ替えだけでも読まれ方が変わります。
求人票に残業時間まで書く必要がありますか。
書いたほうが結果的に得になります。伏せておくと入社後に跳ね返り、早期離職という形で採用コストに戻ってきます。実態を書いたうえで、会社としてどう向き合っているかを添えるのが扱いやすい形です。
社員の写真や声は必要でしょうか。
写真そのものより、何をしている人かが分かることが重要です。入社1〜3年目の社員が、どんな一日を過ごしているかを職種ごとに1件ずつ用意できると、それだけで比較の材料になります。
あわせて読みたい
- 建設・土木資格取得の支援と、休日・残業の実態をどこまで正直に書けるかが応募の分かれ目になる。
- 医療・介護・福祉資格職と総合職で採用の設計がまったく違う。
- 観光・宿泊繁閑差と勤務形態を正直に書いたほうが、入社後のミスマッチは確実に減る。
- 通年採用・秋採用春に採り切れなかった枠を秋以降で埋める会社は増えている。
- OfferBoxの運用登録して終わりでは結果が出ない。
- スカウトテンプレートの運用テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作る。
この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
相談無料 / OfferBox運用代行(完全成果報酬型)
中小・中堅企業の新卒採用、スカウトで母集団をつくりませんか
- 知名度に頼らず、学生に直接オファーを送るOfferBoxの運用を代行します
- 費用は入社承諾時のみの完全成果報酬(1名20万円)。成果が出なければ0円です
- 中小・中堅企業からのご相談も承っています
金融(地銀・信金・保険)の他の記事
- 金融(地銀・信金・保険)の新卒採用|地方の中小企業が押さえておく全体像 金融(地銀・信金・保険)で新卒採用に取り組む地方の中小・中堅企業向けに、市場の見え方と打ち手の優先順位を整理しました。
- 金融(地銀・信金・保険)が求める人物像をどう決めるか|面接で評価がぶれないために 金融(地銀・信金・保険)の企業が新卒採用で求める人物像を、理想ではなく実在する社員から逆算して設計する方法をまとめました。
- 金融(地銀・信金・保険)で新卒の母集団を作る|応募が集まらないときの切り分け 金融(地銀・信金・保険)の中小企業が母集団形成でつまずく原因を、露出・条件・訴求の3つに切り分けて整理しました。
- 金融(地銀・信金・保険)の求人票の書き方|仕事の中身が伝わる具体の出し方 金融(地銀・信金・保険)の募集要項を、学生が自分の一日を想像できる文章に書き換えるための手順をまとめました。
- 金融(地銀・信金・保険)のスカウト文面|業種で敬遠されないための書き方 金融(地銀・信金・保険)の企業が新卒スカウトを送るときに、業種名で読み飛ばされないための文面構成をまとめました。
- 保険業界の新卒採用でOfferBoxを使うときの設計|採用の形ごとに分ける 保険業界の新卒採用でOfferBoxを使うときは、採用の形ごとに検索と文面と面談を分け、一つの文面でまとめません。業界の採用構造との相性、行動で探す検索、形ごとの最初の一文、面談と内定後の伝え方を解説します。