スカウトテンプレートの運用|数字の見方と改善の順番
採用がうまくいかない会社の多くは、母集団が足りないのではなく、届けたい相手に情報が届いていない。掲載して待つ設計のままでは、この距離は縮まらない。
送信数だけを追わない
送信数を目標にすると、個別化の手間が削られて文面の質が落ちる。数を追うほど返信が減るという、逆の結果になりやすい。
テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作る。
段階に分けて見る
開封・返信・面談・選考進出を分けて見ると、どこが詰まっているかが分かる。開封されないなら件名、開封されて返信がないなら本文、返信があって面談に至らないなら日程調整の手間を疑う。
全体の数字だけを見ていると、原因が特定できないまま文面を全部書き換えることになる。何が効いたのかも分からなくなる。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
記録する項目
記録する項目は少なくてよい。多いと更新されなくなる。判断に使う項目だけを選びたい。
- テンプレートの固定部分と個別化する部分を分けているかどうか
- 職種ごとにテンプレートを分けているかどうか
- 変更したときに履歴を残しているかどうか
- 個別化に使う時間を確保できているかどうか
直す順番
変更は一か所ずつにとどめる。順番は、件名、冒頭の個別化、仕事内容の具体性、依頼の軽さ。この流れが分かりやすい。
テンプレートの固定部分と個別化する部分を分けているかどうかという点も、数字と合わせて見ておくと判断がしやすくなる。
スカウトテンプレートの運用を自社の言葉にする
テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作る。
自社の話に落とすときは、テンプレートの固定部分と個別化する部分を分けている、職種ごとにテンプレートを分けている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、変更したときに履歴を残しているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「一度やってみて成果が出なかったからもうやらない」という判断は早いことが多い。止まった理由が工数なのか、対象設定なのか、文面なのかを切り分けないと、次に何を変えればよいか分からない。
「返信がないのは学生が見ていないから」と結論づけるのは早い。開封されているかどうかで原因はまったく違う。段階を分けて見ないと、直す場所を間違える。
「新卒のスカウトは大手がやるもの」という思い込みもある。むしろ知名度で劣る会社ほど、こちらから名指しで声をかける手段の価値は大きい。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- テンプレートの固定部分と個別化する部分を分けているかどうか
- 職種ごとにテンプレートを分けているかどうか
- 変更したときに履歴を残しているかどうか
- 個別化に使う時間を確保できているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
勤務地が地方であることは、いつ伝えるべきですか。
最初の文面で伝えます。伏せたまま面談まで進めても、そこで辞退されるだけです。先に出せば対象は絞られますが、残った学生の歩留まりは上がります。
テンプレートを使うと機械的に見えませんか。
テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作ります。骨格を固定して、冒頭の「なぜあなたなのか」の部分だけ毎回書く、という使い方であれば機械的にはなりません。
文面は誰が書くべきですか。
最初は採用の判断をする人が書いたほうが早く型が固まります。何を伝えれば来てくれるかが分かってから、他の人や外部に渡すと、精度を落とさずに量を増やせます。
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この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
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