内定辞退の理由の分け方|五つの分類と「いつ決めたか」
内定辞退が続いたので理由を記録したい。ところが、辞退の連絡は「他社に決めました」の一語で終わり、台帳には「他社」とだけ残り、翌年に「今年も他社に負けた」で終わって、どこを直せばよいか分からない。結論から言うと、辞退の理由は「他社に決めた」の一語で記録せず、「入口の時点のずれ・選考中の印象・内定後の間・条件・他社との比較」の五つに分け、さらに「いつ決めたか」を添えて記録します。理由は辞退の連絡で聞かず、承諾期限の前の面談と、辞退の連絡の後の別の人からの一通で聞きます。五つのどこに集まるかで、直す場所(媒体の文面か、面接官か、内定後の接点か、条件か、他社の締切か)が決まります。 この記事は、分け方と聞き方と記録の型を書きます。分けた後の見方は内定承諾率の見方で書きます。
この作業の目的|辞退の理由を、「直す場所」に変える
辞退の理由を記録する目的は、翌年に同じ辞退を減らすことです。「他社に決めた」は理由ではなく結果で、その前に、学生がどの時点で何を見て決めたかがあります。それを分けて残すと、直す場所が一つに決まります。
目的は、台帳の「他社」の一語を、「入口・選考・内定後・条件・他社」の五つと「いつ」に置き換えることです。
辞退の理由の記録で、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 「他社に決めた」の一語で記録する | 結果しか残らず、直す場所が分からない |
| 辞退の連絡の場で理由を聞く | 学生は角が立たない理由(他社・条件)しか言わない |
| 採用担当が自分で聞く | 選考中の印象(面接官の態度)は、その担当には言わない |
| 「いつ決めたか」を残さない | 内定後の間に決めたのか、面接の日に決めていたのかが分からない |
| 辞退した学生だけを見る | 承諾した学生が「迷った理由」を残さないので、次の年の辞退が予測できない |
| 理由を分けても、直す場所と結び付けない | 分析で終わり、翌年の運用が変わらない |
共通するのは、理由を「聞く」作業で終わり、「分けて直す場所に結び付ける」作業になっていないことです。
分け方は、五つと「いつ」
| 分け方 | 中身 | 学生の言い方の例 |
|---|---|---|
| 入口の時点のずれ | オファーの文面・募集記事・企業ページで読んだ会社と、会ってみた会社が違った | 「思っていた仕事と違った」「文面で読んだ雰囲気と違った」 |
| 選考中の印象 | 面接官の態度、質問の中身、連絡の速さ、会った社員の様子 | 「面接で聞かれたことが」「あの人と働くイメージが」「返事が遅くて」 |
| 内定後の間 | 内定から承諾期限までの間に接点が途切れた、会う人がいなかった | 「内定の後、連絡が無くて」「他社は内定者と会わせてくれて」 |
| 条件 | 給与、勤務地、配属、休日、転勤。内定後に初めて知った条件を含む | 「勤務地が」「配属が決まらないのが」「聞いていた条件と」 |
| 他社との比較 | 他社の内定の時期、規模、知名度、親の意見 | 「先に内定が出た会社に」「親が」「知っている会社のほうが」 |
これに「いつ決めたか」を添えます。「面接の日に決めていた」「内定の連絡の日」「承諾期限の前日」「他社の内定が出た日」。同じ「他社」でも、面接の日に決めていたなら選考中の印象で、承諾期限の前日なら内定後の間が本当の理由です。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「辞退の理由は他社との比較で、うちが負けたのは知名度と条件だから、直せない」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、多くの会社の辞退の台帳を見ていますが、「他社」と記録された辞退を、承諾期限の前の面談の記録と突き合わせると、半分近くは他社の前に理由があります。面接の日に「この人と働くのは違う」と決めていて、他社の内定はその後に出ていることが多い。「他社に決めた」は、学生にとって最も角が立たない言い方で、辞退の連絡の場で聞けば、ほぼ全員がそう言います。当社が最初にお願いするのは、辞退の連絡の場で理由を聞くのをやめ、承諾期限の前の面談で「迷っているところ」を聞き、辞退の連絡の後に採用担当ではない別の人(役員か、選考で会わなかった社員)から一通だけ送って聞くことです。別の人からの一通には、採用担当には言わなかった理由が返ってきます。それを五つに分けると、「他社」は五つのうちの一つに減り、残りの四つが直す場所になります。
理由を聞く、二つの場面
| 場面 | 誰が | 何を聞くか |
|---|---|---|
| 承諾期限の前の面談 | 選考で会った現場の社員(採用担当ではない) | 「迷っているところ」「他社と比べて気になっているところ」「内定の後に、分からなくなったこと」 |
| 辞退の連絡の後の一通 | 採用担当ではない別の人(役員か、選考で会わなかった社員) | 「差し支えなければ、決め手になった場面を一つ」「うちの選考で、直したほうがよいと感じたこと」 |
辞退の連絡の場では、理由を聞かず、「連絡をありがとう」で終えます。その場で聞くと、角の立たない理由しか返らず、記録が「他社」で埋まります。
分けた先に、直す場所
| 集まった分け方 | 直す場所 | 何を直すか |
|---|---|---|
| 入口の時点のずれ | 媒体の文面・記事・企業ページ | 仕事の中身と最初の年を先に書く。良く見せる言葉を消す。内定辞退が続くときの見直し方(OfferBox)、Wantedly、ワンキャリア |
| 選考中の印象 | 面接官・連絡の速さ | 面接官の聞き方の型を揃える。返事の日数を決める |
| 内定後の間 | 内定後の接点 | 承諾期限までに、読むものと話す相手を用意する。内定連絡の文面、OfferBoxで内定を出したあとのフォロー |
| 条件 | 条件の伝え方・時期 | 勤務地・配属・転勤を入口の時点で書く。内定後に初めて知る条件を無くす |
| 他社との比較 | 承諾期限・内定の出し方 | 他社の内定の時期を聞いて期限を決める |
五つの中で最も多いものを、翌年に一つだけ直します。全部を直そうとすると、どれも直りません。
記録の型
台帳に、辞退した学生ごとに次の欄を持ちます。
- 入口:どの媒体・どの入口で会ったか
- 分け方:五つのどれか(複数なら、最も重いもの一つと、二番目)
- いつ決めたか:面接の日・内定の連絡の日・承諾期限の前・他社の内定が出た日
- 学生の言葉:聞いた言葉をそのまま。要約しない
- 聞いた場面:承諾期限の前の面談か、辞退後の一通か
- 承諾した学生の「迷った理由」:承諾した学生にも同じ欄を持つ。翌年の辞退の予測になる
承諾した学生の「迷った理由」を残すのが、この型の要です。辞退した学生だけを見ると、「迷ったが承諾した」理由が消え、次の年に同じ理由で辞退が出ます。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:入口の時点のずれが、オファーの文面と学生のプロフィールの読み違いで起きやすい。文面の一文と、承認の理由を台帳に残す
- Wantedly:記事で読んだ会社と選考で会った会社の差が、入口の時点のずれになりやすい。どの記事を読んで来たかを残す
- ワンキャリア:体験談で読んだ選考と実際の選考の差が、選考中の印象になりやすい。体験談のどこを読んだかを聞く
三つとも、分け方の五つは同じで、入口の時点のずれの中身が違います。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 五つの分け方と記録の型を決める | 採用の責任者 |
| 承諾期限の前の面談で、迷っているところを聞く | 選考で会った現場の社員 |
| 辞退後の一通を送る | 採用担当ではない別の人(役員か、選考で会わなかった社員) |
| 台帳に、五つと「いつ」と言葉を残す | 人事 |
| 承諾した学生の「迷った理由」を残す | 人事。内定者との面談で |
| 最も多い分け方を一つ選び、翌年に直す場所を決める | 採用の責任者。年に一度 |
運用代行や代理店が支えられるのは、分け方の型、記録の型、一通の下書きまでで、面談で聞くこと、一通を送る人、直す場所の決定は社内が担います。
エージェントベストの見解
辞退の理由を五つに分けて、当社が先にお伝えしているのは、「入口の時点のずれ」が多い会社ほど、直したあとに承認とエントリーが減る、ということです。入口のずれは、文面と記事で会社を良く見せていることから起きます。「思っていた仕事と違った」が多いなら、文面の良く見せる言葉を消し、仕事の中身と最初の年を先に書くことになり、承認は減ります。減るのは、入口で違う像を持って来て、内定後に辞退する学生です。会社によっては、承認が減ったのを見て文面を戻し、辞退も戻ります。当社が案内するのは、五つに分けた台帳と、承認の数を並べて見ることです。「入口のずれ」の辞退が減り、承認も減ったなら、それは直った状態です。承認の数だけを見ると、直したことが失敗に見えます。見る場所を、分け方の台帳に先に決めてから、入口を直します。
まとめ
- 辞退の理由は「他社に決めた」の一語で記録しない。「入口の時点のずれ・選考中の印象・内定後の間・条件・他社との比較」の五つに分け、「いつ決めたか」を添える
- 理由は辞退の連絡の場で聞かない。承諾期限の前の面談(現場の社員)と、辞退後の別の人からの一通で聞く
- 五つのどこに集まるかで、直す場所が決まる。最も多いものを翌年に一つだけ直す
- 承諾した学生の「迷った理由」も同じ型で残す。翌年の辞退の予測になる
- 「入口のずれ」を直すと承認は減る。分け方の台帳と承認の数を並べて見て、文面を戻さない
よくある質問
辞退の連絡はメールで一方的に来て、理由を聞く機会がありません
その連絡には「ありがとうございました」だけを返し、数日後に、採用担当ではない別の人から一通だけ送ります。「差し支えなければ、決め手になった場面を一つ教えてください。今後の選考を直すために使います」と、返さなくてよいと添えて送ると、一部の学生から、採用担当には言わなかった理由が返ります。全員から返らなくてよく、返った分を五つに分けます。
五つのうち複数に当てはまる辞退は、どう記録すればよいですか
最も重いもの一つと、二番目を残します。「面接の印象が悪く、他社の内定が出た日に決めた」なら、一番は選考中の印象、二番は他社との比較です。「いつ決めたか」が、一番を決める手がかりになります。他社の内定が出る前に気持ちが決まっていたなら、他社は一番ではありません。
辞退の理由の分け方は、御社に相談できますか
できます。当社は、分け方の型、記録の型、一通の下書きを支えられます。面談で聞くこと、一通を送る人、直す場所の決定は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、内定後の運用まで含めて支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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