採用KPIの基本|採る人数に届くかを示す四つの数

採用データ・KPI管理採用の課題から探す 公開日 2026/9/12

採用のKPIを置きたい。ところが、応募数・承認数・イベントの参加者数・SNSのフォロワー数を並べ、率も全部出し、目標値を先に置いて毎月「未達」の表になり、数が多すぎて誰も見ないまま、翌年も同じ表を作っている。結論から言うと、測るのは「採る人数に届くか」を示す数だけで、応募数・承認数・イベントの参加者数・SNSのフォロワー数は測っても見ません。KPIは四つ(採用した数/こんな人に近い人が面談まで来た数/各段の日数/一年後に残った数)に絞り、率は分母が動くので参考として横に置きます。KPIを増やすほど誰も見なくなり、率をKPIにすると分母を減らす運用に寄ります。測る前に決めるのは「何人を、いつまでに、どんな人を」の三つで、これが決まらないうちはKPIを置きません。 母集団形成のKPIは母集団形成のKPI、承諾のKPIは内定承諾率のKPIで書きました。この記事は、採用全体のKPIを何にするかを書きます。

この作業の目的|「採れるか」に答える数だけを、残す

KPIの目的は、採用の状態を細かく記録することではなく、「採る人数に届くか」と「届かないならどこを直すか」に毎月答えることです。数が多いと、答えが出る前に眺めて終わります。

目的は、測っている数を減らし、四つに絞り、見ない数字を先に決めることです。

採用KPIで、起きる失敗

失敗何が起きるか
測れる数をKPIにする応募数・承認数・フォロワー数は測りやすいが、採る人数と結び付かない
数が多すぎる月に一度の場で全部を眺めて終わり、どの数が動いたら何を直すかが決まらない
率をKPIにする分母を減らせば上がるので、応募を絞る・内定を出す数を減らす運用に寄る
目標値を先に置く毎月「未達」の表になり、直す場所が見えない
「どんな人を」が無い数は追えても、採った人が合っているかが追えない
入社の数で切る一年目の離職が見えず、入口が良く見せる方向に寄る

共通するのは、「測りやすい数」を測っていて、「採れるかに答える数」を測っていないことです。

測る前に決める、三つ

三つが決まると、KPIは自動的に決まります。三つが決まらないうちにKPIを置くと、測れる数が並びます。「どんな人を」が最も抜けやすく、抜けると数だけを追う運用になります。

エージェントベストの見解

相談で最も多い思い込みは、「採用KPIは、応募数から内定までの数字を全部並べて、毎月追うものだ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、多くの会社のKPIの表を見ていますが、数が多い表を持つ会社ほど、月に一度の場で「応募が減りました」の一言で終わり、どの数が動いたら何を直すかが決まっていません。逆に、KPIを四つに絞った会社は、月に一度の場で「〇〇の段の日数が延びた。返信の担当を増やす」と、その場で直すことが決まります。当社が最初にお願いするのは、いま測っている数を全部書き出し、「この数が動いたら、何を直すか」を一つずつ書くことです。書けない数は、KPIから外して台帳の参考の欄に移します。ほとんどの会社で、残るのは四つか五つです。数を減らすことは、情報を捨てることではなく、見る場を機能させることです。台帳には全部残し、KPIとして見るのは四つ。それが基本です。

KPIは、四つ

KPI何が分かるか見方
採用した数(職種ごと)採る人数に届くか。最後の答え「何人を」の目標と比べる。年に一度と、期の途中
こんな人に近い人が面談まで来た数(入口ごと)母集団の量と質。届く見込み逆算した必要数と比べる。月に一度。母集団形成のKPI
各段の日数(入口→面談→選考→内定→承諾)待たせている段。数が減る前の先行の指標先月と比べる。月に一度。採用ファネルに置くKPI
一年後に残った数採った人が合っていたか。入口と選考の質年に一度。入社の数ではなく。早期離職を減らす内定期間の使い方

四つで、「結果」「見込み」「詰まり」「合っていたか」が分かります。四つの外の数字は、台帳に残し、KPIとして見ません。

率は、参考として横に置く

率は、数を逆算するための道具で、追う対象ではありません。

見ない数字を、先に決める

見ない数字を先に決めると、月に一度の場が短くなります。台帳には残し、必要なときに見ます。

誰がいつ見るか

頻度誰が見るもの
週に一度人事各段の日数(延びている段が無いか)。数は見ない
月に一度人事と採用の責任者近い人の面談数(入口ごと)、各段の日数。直すことを一つ決める
期の途中採用の責任者と経営採用した数の見込み。届かないなら入口の配分を変える
年に一度採用の責任者と経営四つの前年比、一年後に残った数。翌年の三つ(何人・いつまでに・どんな人を)を決める

週に一度は日数だけ、月に一度は数と日数、年に一度に四つ全部。頻度ごとに見る数を分けると、続きます。

媒体ごとに、変わる点

媒体のKPIと採用全体のKPIを、二階建てにします。媒体のKPIは媒体を直すため、採用全体のKPIは採れるかを見るためです。媒体別の置き方は媒体別のKPI設計で書きます。

社内の分担

作業誰が
「何人を・いつまでに・どんな人を」を決める経営と採用の責任者
KPIを四つに絞り、見ない数字を決める採用の責任者
台帳に全部を残し、四つを毎月出す人事
週に一度、日数を見る人事
月に一度、直すことを一つ決める人事と採用の責任者
経営への報告採用の責任者
一年後に残った数を、採用に戻す採用の責任者

運用代行や代理店が支えられるのは、KPIの型、台帳の型、出す作業までで、三つの決定、直すことの決定、経営への報告は社内が担います。

エージェントベストの見解

採用KPIで、当社が先にお伝えしているのは、「『どんな人を』が決まっていない会社では、KPIを置いても数を追う運用に戻る」ということです。「何人を・いつまでに」は多くの会社が決めていますが、「どんな人を」は「優秀な人」「意欲のある人」のままで、行動の一文になっていません。申し込んだあとにKPIが数の追いかけに戻る会社に共通するのは、この一文が無いことです。一文が無いと、「近い人が面談まで来た数」を数えられず、代わりに応募数と承認数を数えることになります。当社が案内するのは、KPIを置く前に、配属先の責任者と「こんな人」を行動の一文にすることです。「〇〇したことがある人」「△△のとき□□した人」。一文が決まると、面談に来た学生を「近い/近くない」で分けられ、KPIの二番目が数えられるようになります。KPIの設計は、数字の設計ではなく、「どんな人を採るか」の言語化から始まります。

まとめ

よくある質問

上司が応募数の報告を求めます

台帳には残しているので、聞かれれば出せます。報告の一行目は「採用した数の見込み」と「近い人が面談まで来た数」にし、応募数は参考の欄に置きます。「応募は増えたが近い人の面談は減った」のように並べて見せると、上司の関心が応募数から面談の数に移ります。

KPIを四つに絞ると、状態が細かく見えなくなりませんか

台帳には全部残すので、状態は見られます。絞るのは「毎月見る数」で、記録する数ではありません。四つ以外の数は、四つが動いたときに原因を探すために見ます。毎月全部を眺めると、どれも見なくなります。

採用KPIの設計は、御社に相談できますか

できます。当社は、KPIの型、台帳の型、出す作業を支えられます。「何人を・いつまでに・どんな人を」の決定、直すことの決定、経営への報告は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、媒体のKPIと採用全体のKPIの二階建てを支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。

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この記事について

この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。

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