採用単価の計算と見方|人件費まで入れて入口ごとに出す

採用単価・コスト採用の課題から探す 公開日 2026/9/12

採用単価を出したい。ところが、媒体費を採用した人数で割っただけの数を出し、代行費と社内の人件費は入れず、全体の平均だけを見て、「単価が安いから良い入口」と判断し、単価を下げること自体を目標にして、掲載が良く見せる方向に寄っている。結論から言うと、採用単価は「媒体費÷採用した人数」ではなく、(媒体費+代行費+イベントの費用+社内の人件費)÷採用した人数で計算します。人件費を入れないと、社内の時間を使う入口が安く見えて、時間が足りなくなってから気付きます。単価は入口ごとに出し、全体の平均は前年比だけを見ます。単価が安い入口に寄せる判断は、「一年後に残った数」で割った単価を出してからにします。単価を下げること自体を目標にすると、良く見せる掲載と使い回しの文面に寄ります。 媒体別のKPIは媒体別のKPI設計で書きました。この記事は、単価の計算と読み方を書きます。

この作業の目的|単価を、「安い入口を選ぶ数」から「配分を決める数」にする

単価は、安い入口を見つけるための数ではなく、費用と時間をどこに配るかを決めるための数です。安い入口だけに寄せると、その入口が止まったときに代わりが無くなり、質の低い母集団に寄ります。

目的は、人件費を入れた単価を入口ごとに出し、「一年後に残った数」で割った単価と並べて、配分を決められるようにすることです。

採用単価で、起きる失敗

失敗何が起きるか
媒体費だけで計算する代行費と人件費が入らず、社内の時間を使う入口が安く見える
人件費を入れないスカウトと座談会(時間が重い入口)が実際より安く出る
全体の平均だけを見る入口ごとの差が見えず、配分の判断に使えない
単価を下げることを目標にする良く見せる掲載と使い回しの文面に寄り、辞退と離職が増える
一年後に残った数で割らない一年目に辞めた人も「採用した人数」に入り、単価が実態より安く出る
前年と計算の仕方が違う比べられない

共通するのは、単価を「安さの指標」として見ていて、「配分を決める材料」として見ていないことです。

計算に、入れるもの

項目中身
媒体費媒体の利用料。年間の契約なら、年で割る
代行費スカウト代行・運用代行の費用
イベントの費用出展費、会場費、資料、交通費
社内の人件費人事と現場が採用に使った時間 × 時間あたりの人件費
その他ツールの費用、印刷物、紹介の手数料

分母は、採用した人数(入社した人数)。入口ごとに出すときは、その入口から採用した人数で割ります。

前年と同じ計算の仕方を保つことが、比べるための条件です。計算の仕方を変えるなら、変えた年に前年も新しい計算で出し直します。

エージェントベストの見解

相談で最も多い思い込みは、「採用単価は媒体費を採用人数で割った数で、その数が安い媒体が良い媒体だ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、費用と運用の両方を見ていますが、人件費を入れない単価は、媒体の選び方を歪めます。スカウトの媒体は、絞る作業と文面と面談で社内の時間を使い、掲載の媒体は、作るときに時間を使って運用中は少ない。人件費を入れないと、スカウトは「媒体費だけなら安い媒体」に見えます。実際には、社内の時間を月に何十時間も使っていて、その時間は他の仕事を削っています。当社が最初にお願いするのは、人件費を入れた単価を出すことです。時間の記録は、月末に「この媒体に人事〇時間、現場△時間」と思い出せる範囲で足ります。人件費が入ると、「媒体費は安いが総額では高い入口」と「媒体費は高いが時間がかからない入口」が分かれ、配分の判断が変わります。単価の目的は、安い入口を選ぶことではなく、限られた費用と時間をどこに配るかを決めることです。

入口ごとに、出す

入口ごとに出して初めて、配分の材料になります。

人件費の、出し方

人件費の精度より、毎年同じ計算で続けることが重要です。

「一年後に残った数」で割る

入社の時点の単価が安くても、一年後の単価が高い入口は、安い入口ではありません。

単価が高い入口の、読み方

単価だけで止める判断をせず、役割と時間と一年後で読みます。

月と年の、見方

頻度見るもの直すこと
月に一度入口ごとの費用の積み上げ、時間の記録予算と時間が偏っていないか
年に一度入口ごとの単価(人件費入り)、全体の平均の前年比翌年の配分
一年後一年後に残った数で割った単価入社時点の単価と並べて、配分の見直し

単価は月に一度追う数ではありません。月に一度は費用と時間の記録、年に一度に単価を出します。

媒体ごとに、変わる点

三つとも、計算の型は同じで、人件費の出方(初年度に集中するか、毎月かかるか)が違います。

社内の分担

作業誰が
計算に入れる項目と、時間あたりの人件費の概算を決める採用の責任者と経理
入口ごとの費用を集める人事
時間を月末に記録する人事と、名義・面談・イベントを担う現場の社員
年に一度、入口ごとの単価を出す人事
一年後に残った数で割った単価を出す人事。年に一度
配分を決める採用の責任者と経営
計算の仕方を変えたら、前年も出し直す人事

運用代行や代理店が支えられるのは、計算の型、記録の型、集計までで、時間の記録、配分の決定は社内が担います。

エージェントベストの見解

採用単価で、当社が先にお伝えしているのは、「単価を下げることを目標にすると、採用の質が下がる」ということです。単価を下げる最も早い方法は、費用の安い入口に寄せて、掲載を良く見せてエントリーを増やし、文面を使い回して送る数を増やすことです。この三つをすると、単価は下がり、選考中の離脱と内定後の辞退と一年目の離職が増えます。一年後に残った数で割ると、単価は上がっています。申し込んだあとに単価が下がって離職が増える会社に共通するのは、単価を目標にしたことです。当社が案内するのは、単価を目標にせず、「採る人数に届く費用と時間の配分」を決めるための材料として使うことです。目標に置くのは採用した数と一年後に残った数で、単価は配分を決める材料です。単価が前年より上がっても、一年後に残った数が増えているなら、その年の採用は良くなっています。単価は、下げる対象ではなく、読む数です。

まとめ

よくある質問

人件費の時間あたりの単価は、どう決めればよいですか

職位ごとの概算を一つ決めて、毎年同じものを使います。精度を追う必要はなく、入口ごとの差が見えれば足ります。経理に聞いて「人事は〇円、現場は△円」の二つか三つの概算を作り、変えずに使い続けます。単価が毎年同じ前提で出ていることが、比べるための条件です。

経営が「単価を下げろ」と言います

単価を下げる方法は、費用の安い入口に寄せる・良く見せる掲載でエントリーを増やす・文面を使い回す、のどれかで、どれも辞退と離職を増やします。「単価は下げられますが、一年後に残った数で割った単価は上がります」と、二つの単価を並べて説明します。目標に置くのは採用した数と一年後に残った数で、単価は配分を決める材料だと位置づけ直します。

採用単価の計算は、御社に相談できますか

できます。当社は、計算の型、記録の型、集計を支えられます。時間の記録と配分の決定は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、三媒体の費用と運用の時間を並べて見る形を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。

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出典

本記事は 2026/9/22 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

この記事について

この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。

株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964

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