知名度に頼らない採用|よくある失敗と、手を打つ前の確認
採用の相談を受けると、多くの会社が手法の話から始める。ところが実際に効くのは、誰に向けて何を伝えるかを決め直すという、手法より前の段階であることが多い。
目的が決まらないまま始める
知名度に頼らない採用に手をつけること自体が目的になっているケースは多い。他社がやっているから、という理由で始めると、成果の判断基準がないまま工数だけが増える。
知名度は採用の前提条件ではない。知られていない状態からでも、誰に何を伝えるかが決まっていれば選考には進む。
手を広げすぎる
複数の施策を同時に始めると、どれも中途半端になり、何が効いたのかも分からなくなる。一度に一つずつ変えるほうが、結果的に早い。
判断の基準はシンプルで、担当者が確保できる時間で回るかどうかである。回らない量は、必ず途中で止まる。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
記録を残さない
一年かけて取り組んでも、記録がなければ翌年に引き継げない。担当者が代わった瞬間にゼロに戻るのは、このためである。
自社の製品やサービスが最終的に誰に届いているか説明できるかどうかという点だけでも記録しておくと、翌年の判断材料になる。形式は表計算ソフト一枚で足りる。
確認しておきたいこと
始める前、あるいは見直すときに、次の点を確認したい。
- 自社の製品やサービスが最終的に誰に届いているか説明できるかどうか
- 入社1〜3年目の社員の仕事を職種ごとに書き出せているかどうか
- 興味を持った学生が確認しに来る場所が用意されているかどうか
- 知名度に依存しない接点の経路を持っているかどうか
知名度に頼らない採用を自社の言葉にする
知名度は採用の前提条件ではない。知られていない状態からでも、誰に何を伝えるかが決まっていれば選考には進む。
自社の話に落とすときは、自社の製品やサービスが最終的に誰に届いているか説明できる、入社1〜3年目の社員の仕事を職種ごとに書き出せている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、興味を持った学生が確認しに来る場所が用意されているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「成果が出るまで続けるべき」という考え方も、無条件には正しくない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「ツールを入れれば解決する」という期待も外れやすい。運用の型ができていない状態でツールを入れると、入力されないまま放置される。まず表計算ソフト一枚で回してみるほうが早い。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 自社の製品やサービスが最終的に誰に届いているか説明できるかどうか
- 入社1〜3年目の社員の仕事を職種ごとに書き出せているかどうか
- 興味を持った学生が確認しに来る場所が用意されているかどうか
- 知名度に依存しない接点の経路を持っているかどうか
答えが人によって違う項目があれば、それ自体が発見である。社内で認識が揃っていないまま選考を進めると、面接官ごとに評価がぶれる。
よくある質問
社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
去年と同じやり方で本当に大丈夫でしょうか。
去年の結果を数字で説明できるなら、続ける判断に根拠があります。説明できないなら、続けるかどうかの前に、まず数えるところから始めたいところです。
あわせて読みたい
- 採用計画・採用目標採用人数だけを決めて動き出すと、途中で何を判断すればいいか分からなくなる。
- ターゲット設計・ペルソナ欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。
- 採用データ・KPI管理振り返りができない採用は、毎年ゼロから始めることになる。
- OfferBoxの運用登録して終わりでは結果が出ない。
- OfferBox運用代行運用代行は工数を外に出すことが目的ではなく、毎週まわし続ける状態を作ることが目的。
- 地元志向の学生地元志向は待遇の妥協と同義ではない。
この記事のまとめ
今年の採用で分かったことを、来年の担当者が読める形にして残す。これをやっている会社とやっていない会社の差は、3年も経てば埋めがたいものになる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
相談無料 / OfferBox運用代行(完全成果報酬型)
採用の課題を、運用の側から一緒に整理しませんか
- 母集団・面談・内定辞退のどこで止まっているかを一緒に切り分けます
- OfferBoxの運用代行は入社承諾時のみ課金の完全成果報酬(1名20万円)
- 人事が1人でも回る形を、ご相談のなかで一緒に考えます
知名度に頼らない採用の他の記事
- 知名度がない会社の母集団形成|知名度の差が出る段階と入口の組み方 知名度がない会社の母集団形成では、差が出るのは「探されるか」と承認・面談・承諾の段階で、「開くか・読むか」では出ません。起きる失敗、入口の順番、文面と企業ページで埋めるもの、面談での仕事の見せ方を整理します。
- 知名度に頼らない採用|うまくいかない原因を切り分ける 知名度に頼らない採用で成果が出ないとき、原因がどこにあるのかを順番に切り分けるための見方をまとめました。
- 知名度に頼らない採用|中小企業は絞って深くやる 人員も予算も限られる中小企業が知名度に頼らない採用に取り組むときの、優先順位のつけ方と現実的な進め方をまとめました。
- 知名度に頼らない採用|地方企業は都市部と前提が違う 地方の企業が知名度に頼らない採用に取り組むときに、都市部の企業とは条件が違う点を整理しました。
- 知名度に頼らない採用|進め方と、何から手をつけるか 知名度に頼らない採用に着手するときの手順を、準備・実行・振り返りの順に整理しました。
- 知名度に頼らない採用|自社の状態を点検するチェックリスト 知名度に頼らない採用について、自社がいまどこまでできているかを点検するための確認項目をまとめました。