ターゲット設計・ペルソナ|場面ごとの考え方
同じ募集要項を数年使い続けている会社は少なくない。市場も学生の関心も動いているのに、伝える内容だけが止まっていれば、反応が落ちるのは当然である。
着手したばかりの場合
ターゲット設計・ペルソナにこれから取り組む段階では、精度より着手の早さを優先したい。完成形を目指すほど動き出しが遅れる。
まず人物像が性格ではなく行動で書かれているかどうかという点だけを決めて、動かしながら他を埋めていくほうが早い。
一度やってみて成果が出なかった場合
前回うまくいかなかった理由を言葉にできているかどうかが分かれ目になる。言語化できていないまま同じことを繰り返すと、同じ結果になる。
欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。人物像は理想像ではなく、実在する社員から逆算して作る。
前提として、採用手法に万能なものはない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
担当者が代わった場合
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由である。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。
前任者に確認できるうちに、判断の背景を聞いておきたい。聞けないなら、いったん前提を置き直して小さく始めるほうが安全である。
採用人数を増やすことになった場合
人数が増えると、これまでのやり方がそのままでは回らなくなることが多い。手法を増やすか、工数を増やすか、外に出すかの判断が要る。
判断の基準は、担当者が確保できる時間である。時間が増えないなら、手法を増やすのではなく外に出すほうが現実的になる。
ターゲット設計・ペルソナを自社の言葉にする
欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。人物像は理想像ではなく、実在する社員から逆算して作る。
自社の話に落とすときは、求める人物像を実在する社員から逆算して作っている、人物像が性格ではなく行動で書かれている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、評価項目が4つ以内に絞られているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「成果が出るまで続けるべき」という考え方も、無条件には正しくない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 求める人物像を実在する社員から逆算して作っているかどうか
- 人物像が性格ではなく行動で書かれているかどうか
- 評価項目が4つ以内に絞られているかどうか
- 「求めない条件」を決めているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
去年と同じやり方で本当に大丈夫でしょうか。
去年の結果を数字で説明できるなら、続ける判断に根拠があります。説明できないなら、続けるかどうかの前に、まず数えるところから始めたいところです。
社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
あわせて読みたい
- 採用計画・採用目標採用人数だけを決めて動き出すと、途中で何を判断すればいいか分からなくなる。
- 高卒採用高卒採用は学校を通した独自のルールで動く。
- 専門学校・短大卒の採用専門学校生は分野が明確なぶん、仕事との接続を示しやすい。
- Iターン・Jターン就職縁のない土地を選ぶ学生は、仕事より暮らしから入ることが多い。
- 若者の県外流出流出は進学の時点で起きている。
- 高専・工業高校からの採用技術系の人材を確保する上で、地方企業にとって最も現実的なルートのひとつ。
この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
相談無料 / OfferBox運用代行(完全成果報酬型)
採用の課題を、運用の側から一緒に整理しませんか
- 母集団・面談・内定辞退のどこで止まっているかを一緒に切り分けます
- OfferBoxの運用代行は入社承諾時のみ課金の完全成果報酬(1名20万円)
- 人事が1人でも回る形を、ご相談のなかで一緒に考えます
ターゲット設計・ペルソナの他の記事
- OfferBoxで採りたい学生像を言葉にする|ペルソナの作り方 OfferBoxで採りたい学生像は、活躍している若手社員から逆算し、条件・志向・行動に分けて1人に絞って書きます。検索と文面と面接の共通の物差しにする手順、面接官との合意、やりがちな失敗を整理します。
- ターゲット設計・ペルソナ|うまくいかない原因を切り分ける ターゲット設計・ペルソナで成果が出ないとき、原因がどこにあるのかを順番に切り分けるための見方をまとめました。
- ターゲット設計・ペルソナ|中小企業は絞って深くやる 人員も予算も限られる中小企業がターゲット設計・ペルソナに取り組むときの、優先順位のつけ方と現実的な進め方をまとめました。
- ターゲット設計・ペルソナ|地方企業は都市部と前提が違う 地方の企業がターゲット設計・ペルソナに取り組むときに、都市部の企業とは条件が違う点を整理しました。
- ターゲット設計・ペルソナ|進め方と、何から手をつけるか ターゲット設計・ペルソナに着手するときの手順を、準備・実行・振り返りの順に整理しました。
- ターゲット設計・ペルソナ|よくある失敗と、手を打つ前の確認 ターゲット設計・ペルソナに取り組むときに陥りやすい失敗を整理し、それぞれの避け方をまとめました。