内定者フォロー|スカウト型採用と組み合わせる
採用の相談を受けると、多くの会社が手法の話から始める。ところが実際に効くのは、誰に向けて何を伝えるかを決め直すという、手法より前の段階であることが多い。
待つ採用では埋まらない部分がある
内定者フォローにどれだけ手を尽くしても、求人を出して待つ形のままでは届かない層がある。自社を検索する理由がない学生には、こちらから声をかけるしかない。
内定から入社までの期間は、学生がいちばん不安になる時期。放置すれば他社に流れるが、やりすぎると重く感じられる。
スカウト型が効く理由
相手を読んでから書けるのがこの手法の特徴である。対象と伝える内容が決まっていれば、そのまま運用に落とせる。
有名かどうかが効きにくい。名指しで連絡が来たという事実だけで、他社と同じ土俵には並ばなくなる。
同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。
組み合わせるときの注意
スカウトを始めると、既存の取り組みと合わせて工数が増える。何かをやめる判断をセットにしないと、どちらも中途半端になる。
送る相手の条件は、内定から入社までの接触の頻度が決まっているかどうかという観点で整理した内容をそのまま検索条件に落とせることが多い。ゼロから考え直す必要はない。
続けられる形にする
結果が出ない原因は、たいてい送れていないことである。使える時間を先に決め、その範囲の本数に抑えたい。
自社で続けられる見込みが立たないなら、運用を外部に出す判断も早いうちにしておく。止まった運用は、やっていないのと同じ結果になる。
内定者フォローを自社の言葉にする
内定から入社までの期間は、学生がいちばん不安になる時期。放置すれば他社に流れるが、やりすぎると重く感じられる。
自社の話に落とすときは、内定から入社までの接触の頻度が決まっている、接触の担当者が決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、内定者同士が話す機会があるも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
「まず情報収集から」という進め方も、度が過ぎると着手が遅れる。決めるべきことを仮で置いて動かしたほうが、分かることは多い。
自社に当てはめて考える
ここまでの内容を自社に当てはめるとき、確認しておきたいのは次の点である。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
- 内定から入社までの接触の頻度が決まっているかどうか
- 接触の担当者が決まっているかどうか
- 内定者同士が話す機会があるかどうか
- 重すぎる負担になっていないかを確認できているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
成果が出ているかどうかの判断がつきません。
短期で成果を測るのは難しいので、まずは実行量を見ます。決めた量を実行できているかどうかは、その週のうちに判断できます。成果は年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間で見切ると効いているものを途中でやめてしまいます。
外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
あわせて読みたい
- 採用単価・コスト単価は媒体費だけでは測れない。
- 初任給・給与設計初任給は相場との比較で見られるが、学生が本当に気にしているのは3年後の見通し。
- 親の理解(オヤカク)地方の新卒採用では、保護者の理解が結果を左右する。
- スカウトテンプレートの運用テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作る。
- 高専・工業高校からの採用技術系の人材を確保する上で、地方企業にとって最も現実的なルートのひとつ。
- 地方創生・自治体の採用支援自治体の支援制度は年度ごとに変わる。
この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
相談無料 / OfferBox運用代行(完全成果報酬型)
採用の課題を、運用の側から一緒に整理しませんか
- 母集団・面談・内定辞退のどこで止まっているかを一緒に切り分けます
- OfferBoxの運用代行は入社承諾時のみ課金の完全成果報酬(1名20万円)
- 人事が1人でも回る形を、ご相談のなかで一緒に考えます
内定者フォローの他の記事
- 内定者フォローの基本|四つの中身と承諾前後の分け方 内定者フォローはつなぎ止める作業ではなく、入社の日まで「この会社で何をするか」を持ち続けられる状態を作る作業です。起きる失敗、読むもの・話す相手・会う場・窓口の四つの中身、承諾前後の分け方を整理します。
- 内定者フォロー|うまくいかない原因を切り分ける 内定者フォローで成果が出ないとき、原因がどこにあるのかを順番に切り分けるための見方をまとめました。
- 内定者フォロー|中小企業は絞って深くやる 人員も予算も限られる中小企業が内定者フォローに取り組むときの、優先順位のつけ方と現実的な進め方をまとめました。
- 内定者フォロー|地方企業は都市部と前提が違う 地方の企業が内定者フォローに取り組むときに、都市部の企業とは条件が違う点を整理しました。
- 内定者フォロー|進め方と、何から手をつけるか 内定者フォローに着手するときの手順を、準備・実行・振り返りの順に整理しました。
- 内定者フォロー|よくある失敗と、手を打つ前の確認 内定者フォローに取り組むときに陥りやすい失敗を整理し、それぞれの避け方をまとめました。