内定者フォローの基本|四つの中身と承諾前後の分け方
内定を出したあと、辞退を防ぐためにフォローをしたい。ところが、何をすればよいか分からず、月に一度の連絡と、内定者の懇親会と、入社前の課題を並べて、内定者から「忙しいのに」と思われ、連絡が来なくなり、入社の直前に辞退される。結論から言うと、フォローは「つなぎ止める」作業ではなく、内定者が入社の日まで「この会社で何をするか」を具体的に持ち続けられる状態を作る作業です。中身は「読むもの・話す相手・会う場・答えてくれる窓口」の四つで、連絡の頻度より「次に何があるか」が見えていることが効きます。イベントと課題で埋めるフォローは、内定者の時間を奪って離れます。承諾前と承諾後で分け、承諾後は入社の日から逆算して並べます。 年間の並べ方は内定者フォローの年間計画、遠方の内定者はオンラインでの内定者フォローで書きます。この記事は、基本の四つと分け方を書きます。
この作業の目的|内定者が「何をするか」を、入社の日まで持ち続けられる状態を作る
内定者が辞退する時期は、内定の直後より、承諾から入社までの間が多く、理由は「他社」より「この会社で何をするか分からなくなった」が多いです。選考で聞いた話は、時間が経つと薄れ、他社の内定者の話や、家族の意見や、就職の情報で上書きされます。
フォローの目的は、内定者に会社を好きになってもらうことではなく、「入社したら誰と何をするか」を具体的なまま持ち続けてもらうことです。
内定者フォローで、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 連絡の回数を増やす | 中身の無い連絡が増え、内定者が疲れ、返事が遅くなる |
| イベントと課題で埋める | 内定者の時間を奪い、「入社前から拘束される」と離れる |
| 人事だけが接点になる | 入社後に一緒に働く人が見えず、「何をするか」が具体にならない |
| 承諾前と承諾後を同じにする | 承諾前に懇親会を入れて「囲い込み」と読まれ、承諾後に接点が途切れる |
| 内定者どうしを比べさせる | 課題の出来や発言で序列ができ、静かな内定者が離れる |
| 辞退の兆しを見ずに続ける | 返事が遅くなった内定者に、同じ連絡を続けて、辞退の連絡で初めて気付く |
共通するのは、フォローを「会社がすること」で組み立てていて、「内定者が持ち続けたいもの」で組み立てていないことです。
フォローの中身は、四つ
| 中身 | 何を用意するか | いつ |
|---|---|---|
| 読むもの | 配属先の仕事の中身、最初の年に何をするか、一緒に働く人の紹介、社内の日常が分かるもの | 承諾前から。内定通知と一緒に。内定連絡の文面 |
| 話す相手 | 選考で会った現場の社員、年の近い先輩。人事ではない人 | 承諾前に一度、承諾後に定期的に |
| 会う場 | 配属先の職場、仕事をしている様子、同期になる内定者 | 承諾後。入社の日から逆算して |
| 答えてくれる窓口 | 質問を送れば数日で返る先。人事と、現場の一人 | 承諾前から入社まで、途切れさせない |
四つのうち、最も効くのは「話す相手」です。人事ではない、入社後に一緒に働く人と話した内定者は、「何をするか」を具体的に持ち続けられます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「内定者フォローは、連絡を絶やさないことと、内定者を集めるイベントを増やすことだ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、内定後の運用まで見ていますが、連絡とイベントを増やした会社ほど、内定者の返事が遅くなり、辞退が減りません。内定者は学生で、卒業の研究と、アルバイトと、残りの学生生活があります。会社からの連絡とイベントが増えるほど、「入社前から拘束される」と読み、他社の内定者の「向こうは何も言ってこない」と比べて離れます。当社が最初にお願いするのは、連絡とイベントの数を減らし、「話す相手」を人事から現場の社員に変えることです。選考で会った現場の社員が、承諾の前に一度、承諾の後に何度か、内定者と話す。話す中身は会社の説明ではなく、「最近の仕事で何があったか」です。それを聞いた内定者は、「入社したらこの人とこの仕事をする」を持ち続けます。人事からの月一の連絡より、現場からの一通の「今週こんなことがあった」のほうが、辞退を減らします。
承諾前と、承諾後で分ける
- 承諾前:「決めるための材料」を渡す。読むものと、話す相手と、答えてくれる窓口。会う場(懇親会)は入れない。承諾前の懇親会は「囲い込み」と読まれる
- 承諾後:「入社の日まで持ち続けるもの」を渡す。会う場を入社の日から逆算して並べ、話す相手との接点を定期にする
- 承諾の直後:最も接点が途切れやすい時期。承諾の返事に、「次に何があるか」を書く
承諾前に押すと、承諾は取れても、承諾後に「押されて決めた」と気付いて辞退します。承諾前は押さず、材料を渡し、承諾後に接点を作ります。
連絡の頻度より、「次に何があるか」
内定者が不安になるのは、連絡が少ないときではなく、「次にいつ何があるか」が見えないときです。
- 連絡のたびに、次を書く:「次は〇月に配属先の見学があります。その前に△△を送ります」
- 年間の予定を、承諾後に一度渡す:入社までに何がいつあるか。内定者フォローの年間計画
- 予定の無い月は、無いと伝える:「〇月は会社からの連絡はありません。質問はいつでも」
- 返事を求めない連絡を混ぜる:現場からの「今週こんなことがあった」は、返事が要らない
「次に何があるか」が見えていれば、連絡は少なくてよく、内定者は自分の時間を持てます。
辞退の兆しを、見る
- 返事の日数が延びる:以前は翌日に返っていた返事が、一週間後になる
- 質問が無くなる:承諾前に多かった質問が、承諾後に止まる
- 会う場を欠席する:理由が「予定が」と曖昧
- 話す相手(現場の社員)が「様子が変わった」と言う:人事より先に気付くのは現場
兆しがあれば、連絡を増やすのではなく、話す相手(現場の社員)が一度、会社の話ではない話をする場を作ります。「最近どう」の一通で足ります。
内定者から、聞く
- 選考で、分かりにくかったところ:翌年の文面と面談に戻す。内定者の声を採用に戻す方法
- 内定後に、分からなくなったこと:フォローの読むものに足す
- 他社の内定者の話:他社が何をしているかを、内定者から聞く。真似るためではなく、自社の四つに欠けが無いかを見るため
聞く場は、承諾期限の前の面談と、承諾後の話す相手との接点です。人事が聞くより、現場の社員が聞くほうが、本当のことが返ります。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:オファーの文面で読んだ仕事と、内定後に渡す読むものが同じ言葉であること。文面の名義の社員が、話す相手になると早い。OfferBoxで内定を出したあとのフォロー
- Wantedly:記事で読んだ日常と、承諾後に渡す読むものをつなげる。記事を書いた社員が話す相手になる。Wantedly経由の内定辞退が続くとき
- ワンキャリア:体験談で読んだ選考と、内定後の接点で会う人が同じ会社だと分かる形に。ワンキャリア経由の内定辞退が続くとき
三つとも、四つの中身は同じで、入口で読んだものと、内定後に渡すものを、同じ言葉でつなげることが要です。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 四つの中身を決め、承諾前と承諾後に分ける | 採用の責任者 |
| 読むものを作る | 人事。配属先の責任者が確認 |
| 話す相手 | 選考で会った現場の社員、年の近い先輩。人事ではない |
| 会う場の日程 | 人事と配属先の責任者。入社の日から逆算 |
| 答えてくれる窓口 | 人事と、現場の一人。数日で返す |
| 辞退の兆しを見る | 話す相手(現場の社員)が人事に伝える |
| 内定者から聞いたことを翌年に戻す | 採用の責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、四つの型、読むものの下書き、年間の並べ方までで、話す相手、会う場、窓口の返事は社内が担います。
エージェントベストの見解
内定者フォローを四つに分けて、当社が先にお伝えしているのは、「話す相手」を現場の社員にすると、現場の時間が要る、ということです。人事が月に一度の連絡で済ませていたところを、現場の社員が承諾前に一度、承諾後に何度か話す形にすると、一人の内定者に対して現場の社員の時間が数時間は要ります。申し込んだあとに内定後の運用が止まる会社に共通するのは、この時間を先に確保せず、現場に「内定者と話しておいて」と頼んで、現場の繁忙期に途切れることです。当社が案内するのは、内定を出す前に、話す相手になる現場の社員と、その時間(承諾前に一度、承諾後に月に一度、それぞれ何分)を配属先の責任者と決めておくことです。時間が取れないなら、内定者の数に対して話す相手を増やすか、会う場を減らして話す相手に寄せます。四つのうち、話す相手だけは代行できません。そこに現場の時間を先に置くことが、フォローの基本です。
まとめ
- フォローは「つなぎ止める」作業ではなく、内定者が「この会社で何をするか」を入社の日まで持ち続けられる状態を作る作業
- 中身は「読むもの・話す相手・会う場・答えてくれる窓口」の四つ。最も効くのは、人事ではない現場の社員という「話す相手」
- 承諾前は材料を渡して押さず、会う場は入れない。承諾後は入社の日から逆算して並べ、承諾の直後に「次に何があるか」を書く
- 連絡の頻度より「次に何があるか」が見えていること。イベントと課題で埋めない
- 辞退の兆し(返事の日数・質問の減り・欠席)は現場が先に気付く。兆しがあれば連絡を増やさず、現場が一度話す
よくある質問
内定者が多く、現場の社員が一人ずつ話す時間が取れません
一人の社員が複数の内定者を持つ形にし、会う場を減らして、話す相手に時間を寄せます。懇親会を一つ減らせば、その準備の時間で、現場が内定者と話す時間が作れます。それでも足りないなら、話す相手を年の近い先輩に広げ、人事は窓口に回ります。
内定者から連絡が来なくなりました。辞退でしょうか
兆しですが、辞退と決めずに、話す相手(現場の社員)から「最近どう」の一通を送ります。会社の話ではなく、近況を聞くだけの一通です。返事が来たら、次に何があるかを伝えます。来なければ、人事から一度だけ、答えてくれる窓口としての連絡をします。同じ連絡を繰り返さないことです。
内定者フォローの型は、御社に相談できますか
できます。当社は、四つの型、読むものの下書き、年間の並べ方を支えられます。話す相手、会う場、窓口の返事は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、内定後の運用まで含めて支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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