知名度に頼らない採用|内製と外注の判断基準
学生が知りたいのは会社の実績ではなく、自分がそこで何をするかである。この一点に答えていない情報は、どれだけ量があっても判断材料にならない。
費用で判断しない
知名度に頼らない採用を内製にするか外注にするかを費用だけで比べると、たいてい内製が安く見える。担当者の時間が費用として計上されていないためである。
知名度は採用の前提条件ではない。知られていない状態からでも、誰に何を伝えるかが決まっていれば選考には進む。
継続できるかどうかで決める
判断の基準は、月に何時間確保できるかである。必要な工数に対して時間が足りないなら、内製にした時点で止まることが決まっている。
中断すれば成果はゼロである。費用を節約したつもりで、採れないという最も高い代償を払うことになりかねない。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
何を任せて何を残すか
任せるといっても、全部を渡すわけではない。採否の判断は社内に置いたまま、作業だけを外に出すのが基本形である。
興味を持った学生が確認しに来る場所が用意されているかどうかという部分は、外部に任せても自社の判断が要る。ここを曖昧にしたまま任せると、期待と成果がずれる。
成果報酬という形
固定費として先に払う形は、採れなかった年の負担が重い。採用人数が年に数名の会社では、この振れ幅が経営判断を難しくする。
当社はOfferBoxの運用代行を完全成果報酬型で提供している。入社の承諾に至ったときにのみ費用が発生するため、始める段階での持ち出しがない。
知名度に頼らない採用を自社の言葉にする
知名度は採用の前提条件ではない。知られていない状態からでも、誰に何を伝えるかが決まっていれば選考には進む。
自社の話に落とすときは、自社の製品やサービスが最終的に誰に届いているか説明できる、入社1〜3年目の社員の仕事を職種ごとに書き出せている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、興味を持った学生が確認しに来る場所が用意されているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「成果が出るまで続けるべき」という考え方も、無条件には正しくない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 自社の製品やサービスが最終的に誰に届いているか説明できるかどうか
- 入社1〜3年目の社員の仕事を職種ごとに書き出せているかどうか
- 興味を持った学生が確認しに来る場所が用意されているかどうか
- 知名度に依存しない接点の経路を持っているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
あわせて読みたい
- 人事1人の採用体制一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。
- 内定者フォロー内定から入社までの期間は、学生がいちばん不安になる時期。
- 外国人材の採用在留資格と職務内容の対応を先に確認しないと、内定後に進められなくなる。
- スカウトの年間スケジュール学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。
- 人口減少と採用母集団が構造的に減る前提で、採用以外の手段も含めて人員計画を考える必要がある。
- 地方と都市の賃金差額面ではなく可処分所得と生活コストで比べれば、見え方は変わる。
この記事のまとめ
採用の巧拙は、特別な施策ではなく前提の置き方で決まる。前提を書き出して社内で見せ合うだけでも、噛み合っていない部分が見えてくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
相談無料 / OfferBox運用代行(完全成果報酬型)
採用の課題を、運用の側から一緒に整理しませんか
- 母集団・面談・内定辞退のどこで止まっているかを一緒に切り分けます
- OfferBoxの運用代行は入社承諾時のみ課金の完全成果報酬(1名20万円)
- 人事が1人でも回る形を、ご相談のなかで一緒に考えます
知名度に頼らない採用の他の記事
- 知名度がない会社の母集団形成|知名度の差が出る段階と入口の組み方 知名度がない会社の母集団形成では、差が出るのは「探されるか」と承認・面談・承諾の段階で、「開くか・読むか」では出ません。起きる失敗、入口の順番、文面と企業ページで埋めるもの、面談での仕事の見せ方を整理します。
- 知名度に頼らない採用|うまくいかない原因を切り分ける 知名度に頼らない採用で成果が出ないとき、原因がどこにあるのかを順番に切り分けるための見方をまとめました。
- 知名度に頼らない採用|中小企業は絞って深くやる 人員も予算も限られる中小企業が知名度に頼らない採用に取り組むときの、優先順位のつけ方と現実的な進め方をまとめました。
- 知名度に頼らない採用|地方企業は都市部と前提が違う 地方の企業が知名度に頼らない採用に取り組むときに、都市部の企業とは条件が違う点を整理しました。
- 知名度に頼らない採用|進め方と、何から手をつけるか 知名度に頼らない採用に着手するときの手順を、準備・実行・振り返りの順に整理しました。
- 知名度に頼らない採用|よくある失敗と、手を打つ前の確認 知名度に頼らない採用に取り組むときに陥りやすい失敗を整理し、それぞれの避け方をまとめました。