印刷・紙・包装のインターンシップ設計|仕事の実感をどう渡すか
人手が足りないから採用する、という順番で動くと、必ず急いで決めることになる。急いだ採用は入社後にずれが出やすく、翌年また同じことを繰り返す。
目的を先に決める
目的が二つあると設計が定まらない。認知が目的なら短く広く、見極めが目的なら長く狭く。先に決めておきたい。
採用につなげたいなら、参加者にその後どう接触するかまで含めて設計する。実施して終わりでは成果は測れない。
業種のイメージを更新する機会になる
紙の印刷だけの会社と見られると、市場が縮小している業界と受け取られる。デジタル領域や企画提案まで含めた事業の広がりを示す必要がある。
営業・制作・生産管理のうち、学生のイメージから最も遠い職種を見せると印象が変わる。普段どおりの仕事を見せるだけで十分な場合が多い。
ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。
人手をかけずに成立させる
規模は小さく始めたい。社員が一人つけば成立する範囲にしておかないと、翌年に続かず単発で終わる。
作り込んだ課題より、本物の仕事を見せる時間を長く取るほうが記憶に残る。
参加後の接触を決めておく
当日の出来より、その後の接触回数が効く。終わる前に次の連絡日まで決めておきたい。
選考への案内を急ぐと重く感じられ、放置すると忘れられる。月に一度、近況を聞く程度が扱いやすい。誰がやるかを決めないと必ず止まる。
印刷・紙・包装で募集する職種を分けて考える
印刷・紙・包装が新卒で募集する職種は、営業、制作、生産管理、企画などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば営業と企画では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
紙の印刷だけの会社と見られると、市場が縮小している業界と受け取られる。デジタル領域や企画提案まで含めた事業の広がりを示す必要がある。
よくある誤解
「仕事は入ってみないと分からない」というのは事実だが、それを理由に説明を省くと、入社後のずれがそのまま早期離職になる。営業・制作それぞれについて、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「学生は安定を求めている」という説明も、言葉が大きすぎる。何をもって安定とするかは人によって違い、事業の継続性を指す人もいれば、勤務地が変わらないことを指す人もいる。
「同業に勝てないから他業種から採る」という発想は方向としては正しいが、そのままでは伝わらない。他業種の学生には、印刷・紙・包装の仕事が何に似ているかを説明する言葉が要る。
自社に当てはめて考える
最後に、自社の状態を点検する項目を挙げておく。全部を同時に埋める必要はなく、影響が大きそうなものを一つ選べば十分である。
- 印刷・紙・包装で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
インターンをやるべきでしょうか。
目的が決まっているならやる価値があります。認知を広げるためなのか、こちらが見極めるためなのかで、内容も期間も変わります。決めないまま始めると職場見学の域を出ず、工数だけがかかります。
技術職と事務職で、採用の進め方は変えるべきですか。
変えたほうがよいです。営業と制作では、学生が比較する相手も、判断の軸も違います。募集要項・接点の作り方・面接で見る項目を、職種ごとに分けて設計したいところです。
配属先を約束してもよいのでしょうか。
約束できるなら、それは強い訴求になります。約束できないなら「どう決まるか」を説明するだけでも不安はかなり減ります。曖昧にしたまま進めると、終盤で辞退の理由になります。
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この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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