オンライン面接・Web説明会|地方企業は都市部と前提が違う
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
前提が違うところから始める
オンライン面接・Web説明会について書かれた情報の多くは、都市部の企業を想定している。学生の母数、通勤の前提、競合の数がそもそも違うので、そのまま当てはめても噛み合わない。
オンラインは移動時間の制約を外すため、地方企業にとっては県外学生に会える手段になる。対面の代替ではなく、接点を増やす道具として使いたい。
距離という制約
距離という制約が常にある。来てもらうことを前提にした設計は、地方の企業ではそもそも成立しにくい。
移動の要らない工程を増やせば、制約は小さくなる。対面の代わりではなく、会える人数を増やす手段として使いたい。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
暮らしの条件が判断材料になる
利点は通勤と住居費に集約される。この二つは、都市部の企業が給与をいくら積んでも埋められない差である。
ただし「暮らしやすい」では伝わらない。通勤何分、家賃いくら、休日に何ができるか。ここまで落として初めて判断材料になる。
地方企業として押さえること
オンライン面接・Web説明会に取り組むうえで、地方企業がとくに確認しておきたい点を挙げる。
- 通信環境と機材が面接官側で整っているかどうか
- オンラインでも職場の様子を見せる工夫があるかどうか
- 対面に切り替える段階を決めているかどうか
- 学生側の通信トラブル時の対応を決めているかどうか
オンライン面接・Web説明会を自社の言葉にする
オンラインは移動時間の制約を外すため、地方企業にとっては県外学生に会える手段になる。対面の代替ではなく、接点を増やす道具として使いたい。
自社の話に落とすときは、通信環境と機材が面接官側で整っている、オンラインでも職場の様子を見せる工夫がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、対面に切り替える段階を決めているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「ツールを入れれば解決する」という期待も外れやすい。運用の型ができていない状態でツールを入れると、入力されないまま放置される。まず表計算ソフト一枚で回してみるほうが早い。
「時間がないからできない」という説明は、多くの場合「優先順位が決まっていない」と言い換えられる。やらないことを決めれば、時間は作れることが多い。
自社に当てはめて考える
ここまでの内容を自社に当てはめるとき、確認しておきたいのは次の点である。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
- 通信環境と機材が面接官側で整っているかどうか
- オンラインでも職場の様子を見せる工夫があるかどうか
- 対面に切り替える段階を決めているかどうか
- 学生側の通信トラブル時の対応を決めているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
担当者が代わると引き継げません。
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由です。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。記録には結果だけでなく理由を残しておきたいところです。
社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
あわせて読みたい
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この記事のまとめ
採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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