専門学校・短大卒の採用|数字で見て、振り返りができる状態にする
人手が足りないから採用する、という順番で動くと、必ず急いで決めることになる。急いだ採用は入社後にずれが出やすく、翌年また同じことを繰り返す。
数えないと判断できない
専門学校・短大卒の採用について「うまくいっている」「いっていない」という感覚はあっても、数字で説明できる会社は少ない。数字がないと、来年どうするかの判断ができない。
専門学校生は分野が明確なぶん、仕事との接続を示しやすい。大卒中心の設計のままだと、この層に情報が届かない。
何を数えるか
数える項目は多くなくてよい。むしろ多いと更新されなくなる。判断に使う項目だけを選びたい。
同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。
- 専門学校の分野と自社の職種の対応を整理できているかどうか
- 学校ごとの就職担当と接点があるかどうか
- 学んだ内容をどう活かせるか説明できているかどうか
- 大卒中心の募集要項になっていないかどうか
結果より理由を残す
数字だけ残しても、翌年には使えない。そのとき何を考えてそう決めたのかが残っていて、初めて判断を更新できる。
道具は表計算ソフトで十分である。機能の多さより、更新が止まらない形になっているかどうかが効く。
振り返る場を決めておく
残すだけでは使われない。見る日をあらかじめ決めておかないと、記録は眠ったままになる。
振り返りでは、達成できたかどうかより、次に何を変えるかを決める。決めたことを記録に足して、翌年の起点にする。
専門学校・短大卒の採用を自社の言葉にする
専門学校生は分野が明確なぶん、仕事との接続を示しやすい。大卒中心の設計のままだと、この層に情報が届かない。
自社の話に落とすときは、専門学校の分野と自社の職種の対応を整理できている、学校ごとの就職担当と接点がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、学んだ内容をどう活かせるか説明できているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
「時間がないからできない」という説明は、多くの場合「優先順位が決まっていない」と言い換えられる。やらないことを決めれば、時間は作れることが多い。
「学生の質が下がった」という言い方も、原因の特定を止めてしまう。母集団の質は、対象の設定と伝える内容で決まる。集まる層が変わったなら、変えたのは自社の側である可能性が高い。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 専門学校の分野と自社の職種の対応を整理できているかどうか
- 学校ごとの就職担当と接点があるかどうか
- 学んだ内容をどう活かせるか説明できているかどうか
- 大卒中心の募集要項になっていないかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
あわせて読みたい
- 採用サイト・採用ページ採用サイトは応募を取る場所ではなく、興味を持った学生が確認しに来る場所。
- 福利厚生・働き方制度は数ではなく、実際に使われているかどうかで評価される。
- 既卒・第二新卒新卒だけで枠を埋めようとして未充足になるくらいなら、既卒・第二新卒を対象に含めたほうが早い。
- 開封率・返信率の改善開封されない原因と、開封されたのに返信がない原因はまったく別。
- 採用代行(RPO)RPOは丸投げの仕組みではない。
- 採用に使える補助金・助成金制度は要件が細かく、申請の工数もかかる。
この記事のまとめ
最後に残るのは、学生に対して正直だったかどうかである。伝えにくいことを先に伝えた会社は、採用人数が少なくても入社後に崩れにくい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964
相談無料 / OfferBox運用代行(完全成果報酬型)
採用の課題を、運用の側から一緒に整理しませんか
- 母集団・面談・内定辞退のどこで止まっているかを一緒に切り分けます
- OfferBoxの運用代行は入社承諾時のみ課金の完全成果報酬(1名20万円)
- 人事が1人でも回る形を、ご相談のなかで一緒に考えます
専門学校・短大卒の採用の他の記事
- 専門学校・短大卒の採用|地方の中小企業がまず押さえること 専門学校・短大卒の採用について、地方の中小・中堅企業が新卒採用で押さえておくべき前提と、最初に手をつける順番をまとめました。
- 専門学校・短大卒の採用|うまくいかない原因を切り分ける 専門学校・短大卒の採用で成果が出ないとき、原因がどこにあるのかを順番に切り分けるための見方をまとめました。
- 専門学校・短大卒の採用|中小企業は絞って深くやる 人員も予算も限られる中小企業が専門学校・短大卒の採用に取り組むときの、優先順位のつけ方と現実的な進め方をまとめました。
- 専門学校・短大卒の採用|地方企業は都市部と前提が違う 地方の企業が専門学校・短大卒の採用に取り組むときに、都市部の企業とは条件が違う点を整理しました。
- 専門学校・短大卒の採用|進め方と、何から手をつけるか 専門学校・短大卒の採用に着手するときの手順を、準備・実行・振り返りの順に整理しました。
- 専門学校・短大卒の採用|よくある失敗と、手を打つ前の確認 専門学校・短大卒の採用に取り組むときに陥りやすい失敗を整理し、それぞれの避け方をまとめました。