専門学校・短大卒の採用|場面ごとの考え方
施策を増やしても採用人数が増えないのは、工数が分散しているからである。手を広げるほど一つあたりの密度が下がり、どれも決め手にならなくなる。
着手したばかりの場合
専門学校・短大卒の採用にこれから取り組む段階では、精度より着手の早さを優先したい。完成形を目指すほど動き出しが遅れる。
まず学校ごとの就職担当と接点があるかどうかという点だけを決めて、動かしながら他を埋めていくほうが早い。
一度やってみて成果が出なかった場合
前回うまくいかなかった理由を言葉にできているかどうかが分かれ目になる。言語化できていないまま同じことを繰り返すと、同じ結果になる。
専門学校生は分野が明確なぶん、仕事との接続を示しやすい。大卒中心の設計のままだと、この層に情報が届かない。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
担当者が代わった場合
引き継ぎで抜け落ちるのは理由のほうである。実施した内容は残っていても、なぜその選択をしたかは書かれていない。
話を聞ける相手がいるうちに、背景を押さえておきたい。それができないなら、前提を置き直して小規模に再開するほうが安全である。
採用人数を増やすことになった場合
採用人数が増えた時点で、同じやり方では足りなくなる。手法・人手・外注のどれで埋めるかを決める必要がある。
判断の基準は、担当者が確保できる時間である。時間が増えないなら、手法を増やすのではなく外に出すほうが現実的になる。
専門学校・短大卒の採用を自社の言葉にする
専門学校生は分野が明確なぶん、仕事との接続を示しやすい。大卒中心の設計のままだと、この層に情報が届かない。
自社の話に落とすときは、専門学校の分野と自社の職種の対応を整理できている、学校ごとの就職担当と接点がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、学んだ内容をどう活かせるか説明できているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「専門学校・短大卒の採用は専門的な話だから、詳しい人がいないと手を出せない」と考える必要はない。多くの場合、足りていないのは知識ではなく、決めるべきことを決めていないという一点である。
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 専門学校の分野と自社の職種の対応を整理できているかどうか
- 学校ごとの就職担当と接点があるかどうか
- 学んだ内容をどう活かせるか説明できているかどうか
- 大卒中心の募集要項になっていないかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
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この記事のまとめ
採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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