観光・宿泊が求める人物像をどう決めるか|面接で評価がぶれないために
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
理想像から作るとぶれる
観光・宿泊の企業でよくあるのは、人物像が職種と切り離されて決まっているケースである。フロントと企画では必要な資質が違うのに、同じ基準で面接すると評価が混乱する。
出発点は、実在する社員である。いま活躍している人が、入社時点で何を持っていたかを振り返るほうが早い。
行動で書く
書き方を行動に変えるだけで、面接の質問が決まる。「主体性がある」では確かめようがないが、「自分から段取りを提案した経験がある」なら聞ける。
項目は4つまでに絞る。増やすほど面接官は全体の印象で埋めるようになり、結局は好き嫌いで決まってしまう。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
外していい条件を決める
求める条件より、求めない条件を決めるほうが効く。学部や資格を要件から外した瞬間に、対象が倍になることは珍しくない。
繁閑差と勤務形態を正直に書いたほうが、入社後のミスマッチは確実に減る。地域の観光そのものに関わりたい学生は一定数いるので、事業の広がりを示したい。
社内で像を揃える
共有の仕方にはこつがある。定義文を配っても解釈は割れるが、社内の誰かを名指しすれば、全員が同じ人を思い浮かべられる。
評価が分かれたら、面接官の目ではなく定義の曖昧さを疑う。割れた理由をその場で言語化して、人物像の文言に反映させたい。
観光・宿泊で募集する職種を分けて考える
観光・宿泊が新卒で募集する職種は、フロント、企画、営業、施設運営などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえばフロントと施設運営では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
繁閑差と勤務形態を正直に書いたほうが、入社後のミスマッチは確実に減る。地域の観光そのものに関わりたい学生は一定数いるので、事業の広がりを示したい。
よくある誤解
「若手が定着しないのは世代の問題」という説明は、原因の特定を止めてしまう。採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認するほうが、次の打ち手につながる。
「大手と同じ選考フローにしておけば安心」という考え方も見直したい。選考が長いこと自体が辞退の理由になる。回数を減らすのではなく、各段階で何を判断するかを決めることで、自然と適正な長さになる。
「観光・宿泊の仕事は入ってみないと分からない」という説明は、聞く側からすると判断を放棄されたように映る。一日の流れと、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 観光・宿泊で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
答えが人によって違う項目があれば、それ自体が発見である。社内で認識が揃っていないまま選考を進めると、面接官ごとに評価がぶれる。
よくある質問
業種名だけで敬遠されている感じがします。
観光・宿泊という括りで判断されると、仕事の中身が見られる前に候補から外れます。募集要項の冒頭を業種の説明ではなく仕事の説明から始める、スカウトの文面で業種名を先頭に置かない、といった順番の入れ替えだけでも読まれ方が変わります。
同業他社と条件で横並びになってしまいます。
条件で並ぶなら、任される範囲で差をつけるしかありません。入社1年目に何を任せるか、3年目に何を任せるかを具体的に書けると、同じ条件でも見え方が変わります。規模が小さいほど、この部分は書きやすいはずです。
早期離職が続いています。
受け入れ側の問題として扱う前に、採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認したいところです。良いことしか伝えていない採用は、必ず入社後に跳ね返ります。
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この記事のまとめ
ここまでの内容は、どれも一度決めれば終わりというものではない。毎年の採用のなかで結果を見ながら調整していく前提で、まずは仮でよいので決め切ることをすすめたい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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