多様な人材の受け入れ|スカウト型採用と組み合わせる
採用の相談を受けると、多くの会社が手法の話から始める。ところが実際に効くのは、誰に向けて何を伝えるかを決め直すという、手法より前の段階であることが多い。
待つ採用では埋まらない部分がある
多様な人材の受け入れにどれだけ手を尽くしても、求人を出して待つ形のままでは届かない層がある。自社を検索する理由がない学生には、こちらから声をかけるしかない。
新卒だけで人員計画を組めない地域では、対象を広げる判断が現実的になる。受け入れ側の業務の切り分けが前提になる。
スカウト型が効く理由
スカウト型では、相手のプロフィールを見てから声をかける。誰に何を伝えるかを決めてから動けるので、これまでの取り組みで整理してきた内容がそのまま活きる。
知名度の差が効きにくいのも特徴である。学生にとっては「自分に声をかけてきた会社」という一点で、他社と並ばない状態が作れる。
ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。
組み合わせるときの注意
スカウトを始めると、既存の取り組みと合わせて工数が増える。何かをやめる判断をセットにしないと、どちらも中途半端になる。
送る相手の条件は、業務を切り分けて任せられる形になっているかどうかという観点で整理した内容をそのまま検索条件に落とせることが多い。ゼロから考え直す必要はない。
続けられる形にする
成果が出ない相談の大半は、送信そのものが止まっているケースである。週に確保できる時間を先に決め、その時間で回る本数に合わせたい。
続かないと分かった時点で外注を考えたい。中断した運用の成果はゼロで、かけた時間だけが戻らない。
多様な人材の受け入れを自社の言葉にする
新卒だけで人員計画を組めない地域では、対象を広げる判断が現実的になる。受け入れ側の業務の切り分けが前提になる。
自社の話に落とすときは、業務を切り分けて任せられる形になっている、勤務時間や日数の柔軟性を用意できる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、受け入れ側の現場と合意が取れているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
「学生の質が下がった」という言い方も、原因の特定を止めてしまう。母集団の質は、対象の設定と伝える内容で決まる。集まる層が変わったなら、変えたのは自社の側である可能性が高い。
自社に当てはめて考える
記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。
- 業務を切り分けて任せられる形になっているかどうか
- 勤務時間や日数の柔軟性を用意できるかどうか
- 受け入れ側の現場と合意が取れているかどうか
- 新卒採用との人員計画上の関係を整理できているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
成果が出ているかどうかの判断がつきません。
短期で成果を測るのは難しいので、まずは実行量を見ます。決めた量を実行できているかどうかは、その週のうちに判断できます。成果は年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間で見切ると効いているものを途中でやめてしまいます。
外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
去年と同じやり方で本当に大丈夫でしょうか。
去年の結果を数字で説明できるなら、続ける判断に根拠があります。説明できないなら、続けるかどうかの前に、まず数えるところから始めたいところです。
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この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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