多様な人材の受け入れ|地方の中小企業がまず押さえること
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
この課題の正体
新卒だけで人員計画を組めない地域では、対象を広げる判断が現実的になる。受け入れ側の業務の切り分けが前提になる。
多様な人材の受け入れは、それ単体で解決する問題ではない。採用の他の工程と噛み合っているかどうかで、同じ打ち手でも効き方が変わる。
地方の中小企業にとっての意味
人員も予算も限られる会社では、多様な人材の受け入れに割ける時間そのものが少ない。だからこそ、やることを絞る判断が先に来る。
他社の事例を縮小して真似ると、やることだけ残って効果が落ちる。小さくするのではなく、狙いを一つに絞って組み直したい。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
見るべき観点
多様な人材の受け入れに取り組むとき、最低限この観点は押さえておきたい。
- 業務を切り分けて任せられる形になっているかどうか
- 勤務時間や日数の柔軟性を用意できるかどうか
- 受け入れ側の現場と合意が取れているかどうか
- 新卒採用との人員計画上の関係を整理できているかどうか
最初の一歩
多様な人材の受け入れのすべてを今年中に片づける必要はない。欠けているものを一つ選び、次のシーズンの最初に置くだけで十分な前進になる。
手をつけたら記録を残す。これをやらないと、翌年の担当者は同じ検討をもう一度ゼロからやることになる。
多様な人材の受け入れを自社の言葉にする
新卒だけで人員計画を組めない地域では、対象を広げる判断が現実的になる。受け入れ側の業務の切り分けが前提になる。
自社の話に落とすときは、業務を切り分けて任せられる形になっている、勤務時間や日数の柔軟性を用意できる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、受け入れ側の現場と合意が取れているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。
「ツールを入れれば解決する」という期待も外れやすい。運用の型ができていない状態でツールを入れると、入力されないまま放置される。まず表計算ソフト一枚で回してみるほうが早い。
「まず情報収集から」という進め方も、度が過ぎると着手が遅れる。決めるべきことを仮で置いて動かしたほうが、分かることは多い。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 業務を切り分けて任せられる形になっているかどうか
- 勤務時間や日数の柔軟性を用意できるかどうか
- 受け入れ側の現場と合意が取れているかどうか
- 新卒採用との人員計画上の関係を整理できているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
多様な人材の受け入れに、どのくらいの時間をかけるべきですか。
確保できる時間を先に決めて、その時間で回る量に合わせるのが原則です。逆に、やることに合わせて時間を捻出しようとすると、繁忙期に止まります。止まった取り組みは、やっていないのと同じ結果になります。
他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
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この記事のまとめ
うまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。当たり前のことを、学生から見て分かる形で言語化できているかどうかの差であることが多い。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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