スカウトのKPI|送った数でなく面談まで来た数で見る
スカウトのKPIを置きたい。ところが、送った数と承認率を並べ、承認率を上げるために送る相手を絞り、承認は増えても面談に来る数は減り、文面と名義で割っていないので「今月は承認率が下がった」で終わる。結論から言うと、スカウトのKPIは「送った数」と「承認率」ではなく、「近い人が面談まで来た数」と「一通を書くのにかかった時間」と「名義ごとの面談数」の三つです。承認率は絞れば上がるので、率を追うと送る数が減って面談が減ります。承認は「像の量」で、面談に来た数と分けて数えます。KPIは文面の型ごと・名義ごとに割って初めて直す場所を指し、割らないと「今月は承認率が下がった」で終わります。送る数は「面談の枠の数」から逆算して決め、枠より多く送りません。 媒体のKPIの位置づけは媒体別のKPI設計で書きました。この記事は、スカウトのKPIを書きます。
この作業の目的|スカウトを、「送る作業」から「面談に来てもらう作業」に測り直す
スカウトの運用は、送る数と承認率で語られがちですが、送った数も承認も、採用の人数と直接つながりません。つながるのは、面談に来た近い人の数です。
目的は、KPIを「送る側の作業の量」から「来てもらえた結果」に移し、文面と名義で割って直す場所を指せるようにすることです。
スカウトのKPIで、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 送った数をKPIにする | 数を送ることが目的になり、文面が使い回しになる |
| 承認率をKPIにする | 率を上げるために絞り、送る数が減って面談が減る |
| 承認と面談を分けない | 承認は多いのに面談に来ないことが見えない |
| 文面の型・名義で割らない | 「今月は下がった」で終わり、どの文面・どの名義を直すか出ない |
| 面談の枠より多く送る | 承認が来ても面談が組めず、待たせて他社で決まる |
| 返信の日数を測らない | 承認から面談までの間に他社で決まる |
共通するのは、送る側の作業を測っていて、来てもらえた結果と、その原因(文面・名義・速さ)を測っていないことです。
置くのは、三つ
| KPI | 数え方 | 見方 |
|---|---|---|
| 近い人が面談まで来た数 | 送った相手のうち、面談に来て「こんな人」に近かった人の数 | 月に一度。逆算した必要数と比べる |
| 一通を書くのにかかった時間 | 一通あたりの平均の時間(絞る作業+文面+確認) | 月に一度。時間が増えたら、型を整える。減りすぎたら使い回しを疑う |
| 名義ごとの面談数 | 誰の名義で送って、何人が面談に来たか | 月に一度。名義の効果が見える |
三つで、「結果」「かかる手間」「誰の名義が効くか」が分かります。承認率と返信率は、この三つを直すための下の階に置きます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「スカウトの成果は承認率で測れて、承認率が高い運用が良い運用だ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、スカウトの運用を見ていますが、承認率を上げることに寄せた会社は、送る相手を極端に絞り、承認率は上がって、面談に来る数が減ります。承認は、学生が「話を聞いてもよい」と思った合図で、その先に面談があります。承認率を追うと、承認しやすい相手(自社に既に興味がある学生、条件が近い学生)に集中し、母集団が狭くなります。当社が最初にお願いするのは、承認率をKPIから外し、「近い人が面談まで来た数」に置き換えることです。そのうえで、承認と面談を別の欄で数えます。承認が多くて面談が少ないなら、承認から面談までの案内と日程の取り方を直します。承認が少なくて面談の割合が高いなら、絞りが強すぎるので広げます。承認率一つでは、この二つを区別できません。
承認と面談を、分けて数える
- 承認は「像の量」:文面を読んで「話を聞いてもよい」と思った数。文面の力と、名義の効果が出る
- 面談は「来てもらえた数」:承認の後、日程が組めて実際に会えた数
- 承認が多く面談が少ない:承認から面談までの案内、日程の出し方、返信の速さを直す
- 承認が少なく面談の割合が高い:絞りが強すぎる。条件を広げて送る数を増やす
- 二つを一つの率にまとめない:まとめると、どちらを直すか分からなくなる
承認と面談を別の欄で持つだけで、直す場所が二つに分かれます。
文面の型と、名義で割る
- 文面の型ごとに、面談数を割る:「読んだ一文から始める型」「仕事の中身から始める型」など、型を二つか三つに絞って比べる
- 名義ごとに、面談数を割る:人事の名義、現場の社員の名義、責任者の名義。名義の差は、文面の差より大きく出ることがある
- 型と名義を、同時に変えない:両方変えると、どちらが効いたか分からない。月ごとに一つずつ
- 型は三つまで:多いと、型ごとの数が小さくなって比べられない
- 名義ごとの負担も見る:効く名義の社員に集中すると、その社員の時間が尽きる。媒体別のKPI設計
割らないKPIは、「下がった」しか言えません。割ると、「この型は面談に来ない」「この名義は効く」が出ます。
送る数は、面談の枠から逆算する
- 面談の枠の数を、先に決める:現場の社員が月に何回、面談に出られるか
- 枠から、承認の数を逆算する:「面談〇枠 → 承認△件 → 送信□件」。率は前年の実績で
- 枠より多く送らない:承認が来ても面談が組めず、待たせて他社で決まる
- 枠が増えないなら、送る数を増やさず、絞りを強くする:少ない数を、近い人に、丁寧に
- 月に一度、枠と送った数を並べる:枠が余っているなら送る数を増やし、承認が枠を超えているなら送る数を減らす
スカウトの数は、媒体の通数ではなく、面談の枠で決まります。
返信の日数を、測る
- 承認から、こちらが返すまでの日数:これが延びると、面談に来る数が減る
- 承認から、面談の日までの日数:日程の候補を出す速さと、枠の数で決まる
- 週に一度、日数を見る:数は月に一度でよいが、日数は週に一度。採用ファネルに置くKPI
- 日数が延びたら、その週に直す:返信の担当を増やす、日程の候補を先に用意する
- 日数の目標値は置かない:先週より延びていないかで見る
承認の後の速さは、スカウトの運用で最も効く一つです。
週と月の、見方
| 頻度 | 見るもの | 直すこと |
|---|---|---|
| 週に一度 | 承認から返信までの日数、承認の数、面談の予定の数 | 日数が延びていれば、返信の担当と日程の候補 |
| 月に一度 | 近い人の面談数、一通にかかった時間、名義ごとの面談数、文面の型ごとの面談数 | 型か名義のどちらかを、翌月に一つ変える |
| 年に一度 | 三つの前年比、送る数と面談の枠の関係 | 翌年の枠と送る数の計画 |
月に一度の場で決めるのは「翌月に変えることを一つ」です。型と名義を同時に変えないことが、比べられる条件です。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:送る数に上限があるので、枠からの逆算が効く。文面の型と名義の差が最も出る媒体。OfferBox運用のKPI設計
- Wantedly:スカウトと記事が連動する。「記事を読んでから承認した人」と「文面だけで承認した人」を分けると、記事の効果が見える。Wantedlyのスカウト運用のKPI
- ワンキャリア:掲載と体験談を読んでからスカウトを受ける学生が多い。企業ページの更新と、スカウトの承認を並べて見る。ワンキャリアのスカウト運用のKPI
三つとも、置く三つは同じで、下の階の割り方が違います。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 面談の枠の数を決める | 配属先の責任者。現場の時間から |
| 送る数を枠から逆算する | 人事か代行 |
| 文面の型と名義を決め、月ごとに一つ変える | 人事と現場の社員 |
| 一通にかかった時間を記録する | 送っている人(人事か代行) |
| 週に一度、日数を見て直す | 人事 |
| 月に一度、翌月に変えることを一つ決める | 人事と採用の責任者 |
| 近い人かどうかを台帳に付ける | 面談を担当した人 |
運用代行や代理店が支えられるのは、絞る作業、文面の下書き、記録と集計までで、枠の決定、名義、面談、変えることの決定は社内が担います。
エージェントベストの見解
スカウトのKPIで、当社が先にお伝えしているのは、「一通にかかった時間をKPIに入れると、運用が続く形が見える」ということです。送った数と承認率だけを見ていると、「もっと送れ」に向かい、一通あたりの時間が削られて、使い回しの文面になります。使い回しの文面は、承認率が落ち、落ちた分を数で補おうとして、さらに時間が削られます。申し込んだあとに運用が止まる会社に共通するのは、この循環です。当社が案内するのは、一通にかかった時間を月に一度記録し、「この時間で、月に何通が限界か」を先に出すことです。限界の数を超えて送らないと決めると、一通の質が保たれ、承認率と面談数が保たれます。時間を測ることは、運用の上限を知ることで、上限を知ることが、使い回しに落ちない唯一の歯止めです。数を増やすなら、時間を増やすか、代行に出すかのどちらかで、時間を削って数を増やす道は、三か月で行き止まりになります。
まとめ
- スカウトのKPIは「送った数」「承認率」ではなく、「近い人が面談まで来た数」「一通を書くのにかかった時間」「名義ごとの面談数」の三つ
- 承認と面談を別の欄で数える。承認が多く面談が少ないなら案内と日程、承認が少なく面談の割合が高いなら絞りが強すぎる
- 文面の型(三つまで)と名義で割る。型と名義を同時に変えない
- 送る数は媒体の通数ではなく「面談の枠」から逆算する。枠より多く送らない
- 承認から返信までの日数を週に一度見る。一通にかかった時間が、運用の上限を示す
よくある質問
承認率を全く見なくてよいのですか
下の階で見ます。承認率は、文面と絞り方を直すための数です。承認率が下がったら文面を、上がったのに面談が増えないなら絞りと日程を見ます。上の階(月に一度の場)に載せるのは、近い人の面談数と、時間と、名義ごとの数です。
面談の枠が少なく、送れる数が月に数通しかありません
その数が上限です。少ない数を、近い人に、現場の名義で丁寧に書きます。枠を増やせるなら、配属先の責任者と面談の時間を増やす相談をします。枠を増やさずに送る数を増やすと、承認が来ても面談が組めず、待たせた学生が他社で決まります。
スカウトのKPI設計は、御社に相談できますか
できます。当社は、絞る作業、文面の下書き、記録と集計を支えられます。枠の決定、名義、面談、変えることの決定は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、スカウトの運用と記録を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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本記事は 2026/9/22 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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