既卒・第二新卒|自社の状態を点検するチェックリスト
採用の相談を受けると、多くの会社が手法の話から始める。ところが実際に効くのは、誰に向けて何を伝えるかを決め直すという、手法より前の段階であることが多い。
点検の目的
既卒・第二新卒に手を打つ前に、いまの状態を把握しておきたい。できていないことを洗い出すより、できていることを確認するほうが、次にやることが決まりやすい。
新卒だけで枠を埋めようとして未充足になるくらいなら、既卒・第二新卒を対象に含めたほうが早い。要件の書き方を変えるだけで母集団が広がる。
基本の確認項目
まず、この項目に答えられるかどうかを確認したい。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
- 募集要項の対象に既卒・第二新卒が明記されているかどうか
- 新卒と同じ育成前提で受け入れられるかどうか
- 選考の時期を新卒と分けているかどうか
- 前職の経験をどう評価するかが決まっているかどうか
体制の確認
内容が整っていても、実行する体制がなければ動かない。担当者、時間、判断者の3点を確認しておきたい。
- この取り組みの担当者が決まっているか
- 担当者が週に確保できる時間が決まっているか
- 判断が必要になったとき、誰が決めるかが決まっているか
- 進捗を確認する場と頻度が決まっているか
点検の後にやること
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選ぶ。全部を同時に埋めようとすると、どれも終わらない。
選んだら、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
既卒・第二新卒を自社の言葉にする
新卒だけで枠を埋めようとして未充足になるくらいなら、既卒・第二新卒を対象に含めたほうが早い。要件の書き方を変えるだけで母集団が広がる。
自社の話に落とすときは、募集要項の対象に既卒・第二新卒が明記されている、新卒と同じ育成前提で受け入れられる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、選考の時期を新卒と分けているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「時間がないからできない」という説明は、多くの場合「優先順位が決まっていない」と言い換えられる。やらないことを決めれば、時間は作れることが多い。
自社に当てはめて考える
最後に、自社の状態を点検する項目を挙げておく。全部を同時に埋める必要はなく、影響が大きそうなものを一つ選べば十分である。
- 募集要項の対象に既卒・第二新卒が明記されているかどうか
- 新卒と同じ育成前提で受け入れられるかどうか
- 選考の時期を新卒と分けているかどうか
- 前職の経験をどう評価するかが決まっているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
去年と同じやり方で本当に大丈夫でしょうか。
去年の結果を数字で説明できるなら、続ける判断に根拠があります。説明できないなら、続けるかどうかの前に、まず数えるところから始めたいところです。
社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
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この記事のまとめ
やることを一つ決めたら、いつまでに誰がやるかまで書き出しておきたい。担当と期限のない改善案は、翌年の反省会でもう一度同じ言葉で出てくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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