自動車・輸送用機器の新卒採用計画|人数の前に決めること
人手が足りないから採用する、という順番で動くと、必ず急いで決めることになる。急いだ採用は入社後にずれが出やすく、翌年また同じことを繰り返す。
配属と役割を先に決める
採用人数だけを決めて動き出すと、求める人物像も決まらず、面接での判断もぶれる。どの部署に配属し、何を任せるかを先に決めたい。
自動車・輸送用機器であれば、生産技術・設計・品質保証のどの職種を何人採るかまで落とす。職種が決まると、必要な母集団も手法も自動的に決まってくる。
逆算してスケジュールを引く
入社時期から逆算して、内定を出す時期、選考を始める時期、接点を作り始める時期を置く。ここで初めて、いつ何をすべきかが見える。
大手と同じ時期に動くと比較されたときに不利になる。前倒しするか、秋以降の層を狙うか。意図を持って時期をずらしたい。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
手法ごとに目標を割り振る
欲しい承諾者数から遡って各段階の人数を出す。前例がなければ仮置きで構わない。数字がないと過不足の判断ができない。
完成車メーカーを頂点とした序列で比較されやすいが、学生が本当に見ているのは自分が任される範囲。中堅サプライヤーはここで勝てる。
計画に入れておく項目
最低限まとめておきたいのは次の項目である。
- 職種ごとの採用人数と配属先
- 入社時期から逆算したスケジュール
- 各段階の目標人数(母集団・応募・面接・内定・承諾)
- 使う手法と、手法ごとの目標人数
- 予算と、担当者が確保できる時間
- 進捗を確認する時期と判断基準
自動車・輸送用機器で募集する職種を分けて考える
自動車・輸送用機器が新卒で募集する職種は、生産技術、設計、品質保証、生産管理などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば生産技術と生産管理では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
完成車メーカーを頂点とした序列で比較されやすいが、学生が本当に見ているのは自分が任される範囲。中堅サプライヤーはここで勝てる。
よくある誤解
「仕事は入ってみないと分からない」というのは事実だが、それを理由に説明を省くと、入社後のずれがそのまま早期離職になる。生産技術・設計それぞれについて、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「大手と同じ選考フローにしておけば安心」という考え方も見直したい。選考が長いこと自体が辞退の理由になる。回数を減らすのではなく、各段階で何を判断するかを決めることで、自然と適正な長さになる。
「採用サイトにお金をかければ応募が来る」という期待も外れやすい。見た目より、仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例が揃っているかどうかで判断されている。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 自動車・輸送用機器で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
業種名だけで敬遠されている感じがします。
自動車・輸送用機器という括りで判断されると、仕事の中身が見られる前に候補から外れます。募集要項の冒頭を業種の説明ではなく仕事の説明から始める、スカウトの文面で業種名を先頭に置かない、といった順番の入れ替えだけでも読まれ方が変わります。
早期離職が続いています。
受け入れ側の問題として扱う前に、採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認したいところです。良いことしか伝えていない採用は、必ず入社後に跳ね返ります。
求人票に残業時間まで書く必要がありますか。
書いたほうが結果的に得になります。伏せておくと入社後に跳ね返り、早期離職という形で採用コストに戻ってきます。実態を書いたうえで、会社としてどう向き合っているかを添えるのが扱いやすい形です。
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- 印刷・紙・包装紙の印刷だけの会社と見られると、市場が縮小している業界と受け取られる。
- 採用計画・採用目標採用人数だけを決めて動き出すと、途中で何を判断すればいいか分からなくなる。
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- スカウトテンプレートの運用テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作る。
この記事のまとめ
重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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